退職後のサポート体制―県や行政のサポートをご紹介
勤めた会社を退職することになったとき、気になるのはその後のこと。県や行政では、退職者に対するさまざまなサポートを準備しています。とても便利な支援制度もありますので、いざというときのために知っておくと安心です。
退職後にはどんなサポートが受けられるの?
退職後に受けられるサポートは、雇用保険加入の有無で違ってきます。雇用保険は、労働者が失業した際に、生活の安定や再就職に向けたさまざまな給付が受けられる制度。会社勤めをしているほとんどの方が加入していて、受けられる給付には、求職者給付・就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付の大きく4種類があります。 ここでは、退職後のサポートとして受給できる求職者給付と職業促進給付、また雇用保険に加入していない人が受けられるサポートについてご紹介します。
雇用保険から受けられる求職者給付
求職者給付は、失業した人が安定した生活の中で1日も早く再就職ができるよう、求職活動を支援するために支給される給付金です。 雇用保険の一般被保険者の求職者給付には、基本手当・傷病手当・技能習得手当・寄宿手当の4種類があります。
基本手当
失業後の求職活動中に、一定の期間支給される手当です。よく耳にする「失業保険」「失業手当」というのがこれに当たります。
受給資格は以下の通り。
- 離職日からさかのぼって2年間の間に、雇用保険被保険者であった期間が12ヶ月以上あること
- 働ける能力があり、求職手続きをおこなっているが現時点で失業中であること
傷病手当
求職手続きをおこなっている人が、病気やケガで15日以上求職活動ができない状態になったときに支給される手当です。14日以内であれば、通常の基本手当が給付されます。
技能習得手当
ハローワークなどで募集している、公共職業訓練を受講することで受給できる手当。受講日数に応じた支給額がもらえる「受講手当」や、受講のための交通費が支給される「通所手当」などがあります。
寄宿手当
公共職業訓練を受けるにあたり転居が必要となり、同居していた家族と別居することになった場合に支給される手当です。
雇用保険から受けられる就職促進給付
就職促進給付は、早期再就職の促進を目的に給付されるもので、再就職手当・就業促進定着手当・就業手当などがあります。
再就職手当
求職者給付でご紹介した「基本手当」の受給期間の満了日よりも早く、再就職を果たした際に支給される手当です。給付に当たっては、次の要件が定められています。
- 基本手当の受給期間の残り日数が1/3以上残っていること
- 再就職先で1年以上勤務するのが確実であること
- 再就職先に、前職とのつながりがないこと
- 再就職手当の支給が決定するまでに仕事を辞めていないこと
- 求職手続き中にすでに内定していた再就職ではないこと
- 3年以内に再就職手当・常用就職支度手当・早期再就職支援金再就職手当等の支給を受けていないこと
- 雇用保険の被保険者であること
- 待期期間の7日間が経過した後に職業に就いた場合、または事業を開始した場合
- 自己理由の退職により基本手当給付に制限がある場合、待期期間満了後1ヶ月間においては、公共職業安定所の紹介で職業に就いていること
就業促進定着手当
再就職した仕事を長く続けられるよう支援するための手当で、再就職手当の受給者が、引き続き6ヶ月以上、かつ離職前よりも低い給与で雇用されている場合に支給されます。
就業手当
基本手当の受給者が、パートやアルバイトで働くと支給される手当
雇用保険を受給できない人を対象とした求職者支援制度
求職者支援制度は、雇用保険を受給できない求職者が、月10万円の生活支援の給付を受けながら、無料の職業訓練を受講できる制度です。また、給付金の支給要件を満たさない場合も、テキスト代は自己負担となりますが、無料の職業訓練を受講できます。
どんな人が対象となるの?
主な対象者は、フリーランスや自営業を廃業した方などの、雇用保険の適用がない離職者の方、もしくは雇用保険の受給が終了した方。くわえて、在職者の中でも、パートタイムなど一定額以下の収入の方が働きながら正社員への転職を目指す場合も、求職者支援制度は利用できます。
どんな訓練が受講できるの?
求職者支援訓練の主なコースは、下記のとおり。
【基礎】ビジネスパソコン科・オフィスワーク科など
【IT】WEBアプリ開発科・Android/JAVAプログラマー育成科など
【営業・販売・事務】OA経理事務科・営業販売科など
【医療事務】医療・介護事務料・調剤事務科など
【介護福祉】介護職員初人者研修科・介護職員実務者研修科など
【デザイン】広告・DTPクリエーター科・WEBデザイナー科など
【その他】3次元CAD活用科・ネイリスト養成科など
引用元:厚生労働省・求職支援制度のご案内
具体的に、宮崎県で受講できる訓練について調べたいときは、ハローワークインターネットサービスを利用して検索することができます。
求職者支援制度は、退職をした方だけでなく、要件を満たせば転職やスキルアップを目指す方も訓練を受講できるので、将来のためにこういった制度があることも覚えておくと安心です。
退職後は支援制度や給付金を上手に活用しよう!
労働者には法律で「退職の自由」が認められていて、自分の考えで退職することができます。いざというときのために、退職後にさまざまなサポート体制があることを知っていると安心です。もしも将来退職などの転機が訪れた際は、そういった支援制度を上手に活用しましょう。