スポーツの楽しさを伝えるために、自分たちがワクワクする仕事を

道路のように舗装された道を走るランニングとは違い、山野や森など自然の中を走る「トレイルランニング」。宮崎市にある有限会社ユニバーサルフィールドはトレイルランニングの大会など、スポーツイベントの企画・運営をおこなっている会社です。九州各地で年間50〜60ほどのイベントを開催しています。
ユニバーサルフィールドが大切にしているのは「自分たちがワクワクするようなイベントや仕事をする」ということ。山に入ってコースの安全確認をするなど、トレイルランニングの大会では特に多大な労力がかかることがありますが、それでも楽しいイベントにしようという思いで準備をおこなっています。
ユニバーサルフィールドはWebサイトの作成や、ロゴやチラシのデザインなど、運営に必要な業務はほぼ社内で完結させられるため、イベントにかかる費用を抑えることができます。こうすることで出場者が支払う参加費も抑えられるうえ、他社からの協賛金に頼らない持続的なイベント開催を可能にしています。

ユニバーサルフィールドは2022年1月に会社の設立から10周年を迎えました。このことを記念して、宮崎市の大淀川河畔に「ランニングステーション」や新社屋を兼ねた複合施設を建設する予定です。ランニングステーションではシューズをレンタルしたり、シャワールームやロッカーを利用したりできるため、施設を拠点にランニングが楽しめます。他にも管理栄養士が考案したメニューを提供するカフェやヨガスペースも併設される予定で、この施設がスポーツをする人同士のコミュニティの場になってほしいと考えています。
また、ユニバーサルフィールドはこれまでおこなってきたさまざまなイベントを通して、参加賞の商品を提供してくれる農家や会社とのたくさんのつながりができました。そのつながりを生かし、宮崎県産野菜の宅配サービス「TEGETABLE（テゲタブル）」の運営もおこなっています。配送しているのは化学肥料や農薬を減量もしくは使用せずに育てられた野菜で、発送日当日に農家から受け取った新鮮なものばかり。一般的なスーパーには並んでいないような珍しい野菜が含まれていることもあるため、そうした野菜を使ったオリジナルレシピも一緒に届けています。

ユニバーサルフィールドでは学生のときに陸上部だった人や自転車で日本一周したことがある人など、スポーツが好きな人が多く働いています。会社が主催するイベントに参加して社長と出会ったことが入社のきっかけだった人もいます。働いているのは11名と多くはありませんが、それぞれが得意とする専門分野を担当し、全員で連携を取りながら準備を進めるため、たくさんの人が参加する大きなイベントも開催することができています。
イベント当日はボランティアの人たちの力も借りながら、3〜4人の社員で運営することがほとんどです。イベントは主に土日や祝祭日におこなわれていて、ボランティアの人たちは仕事の休みを調整してくれたり、集合時間が早朝であっても来てくれたりしています。そうした中でも「参加してよかった」と言ってもらえることは、社員の仕事の励みになっています。また、ゴールした参加者のうれしそうな表情を見たり、感想を聞けたりすることもやりがいを感じられる機会の一つです。