「何に重きを置くのか」自分の人生の優先順位を考えてみて

中船木さん 宮崎大宮高校出身

「触れたことがないジャンルの仕事に取り組める」と転職を決意

これまでの経歴から教えていただけますか?

宮崎大宮高校を卒業後、宮崎大学の農学部に進学しました。

農学部に進んだきっかけは、高校生のころに友人と書いた手紙です。大手食品メーカーに宛てて手紙を書く機会があったのですが、そのときにメーカーさんから丁寧なお返事をいただきました。わざわざ返事が届いたことに驚くと同時に、メーカーさんにとても好感を持ったのを覚えています。

進路を考える際にもそのときの印象が残っていて、将来は食品メーカーで働こうと考えて農学部に進学することにしました。

大学では食品の機能性について学び、卒業後に大手製パンメーカーに入社して働くことになりました。勤務先は関東で、関東圏で転勤も経験しながら働いていたのですが、あるとき家庭の事情で宮崎にUターンすることになりました。転職先を探している際はまた食品系で働くか悩んだのですが、せっかくの機会だから新しい職種で働いてみようと、外資系の企業で営業職として働きました。

その後にユニバーサルフィールドへ転職されたそうですが、どんなきっかけだったのですか?

外資系での大きな仕事がひと段落したタイミングで、ユニバーサルフィールドの代表である高木から、「一緒に働いてみないか?」と声をかけてもらいました。高木とは大学生のころから交流があり、社会人になってからも関係性が続いていました。私が宮崎にUターンしてからは、ユニバーサルフィールドの大会やイベントのボランティアを手伝うなど交流を深めていました。

誘いを受けたときに、「自分がこれまで触れたことがないジャンルの仕事に取り組める」と心を動かされ、転職することにしました。ボランティアなどを通してすでに仕事の内容がイメージしやすかったのも、決断を後押ししてくれた理由ですね。

イベントや大会を通して地域貢献に直接関われるのがやりがい

具体的に現在はどのような業務を担当しているのでしょうか?

私が担当しているのは大きく3つで、スポーツイベントの企画・運営事業、野菜の宅配事業、ランニングステーションの立ち上げ事業です。

ユニバーサルフィールドでは、スポーツイベントの企画や運営をメインに事業を展開しています。私はイベントの関係先との調整や会場の許可申請、スポンサー集めや参加者の募集など幅広い業務を担当しています。

それから、コロナ禍の影響でスポーツイベントが相次いで中止になるなど、私たちの企業も大きな影響を受けました。そこで今後の事業の幅を持たせる取り組みとして、現在は「健康」をキーワードにした取り組みを広げています。

栄養価の高い宮崎県産の野菜を宅配する「テゲタブル」という事業や、社内のスタッフによるランニングクリニック。ヘルスケアアプリの開発やスポーツ整体など、「健康」というキーワードを軸にスポーツを通してさまざまな価値を提供できるように取り組んでいます。

2022年の夏には新たに宮崎市内に「ランニングステーション」をオープン予定です。ロッカーやシャワー設備、ストレッチスペースやコンディショニングスペース、カフェ・レストランなどが併設された施設を予定しています。ランニングやスポーツをされている方の拠点としての役割や、コミュニティづくり、地域住民の交流を促すことが目的です。

お仕事をしていてやりがいを感じる部分はどこですか?

私たちは各地域でイベントを開催するとき、「地域に貢献できること」を大事にしています。

前夜祭を開催して特産物を販売したり、宿泊施設を利用してもらったり、その地域にお金が落ちる仕組みを築くこと。それから、地域の方と参加者の交流が生まれることを目指しています。

そういった地域貢献に直接関われるのは、やりがいに感じる部分ですね。

では、これからのお仕事での目標を聞かせてください。

ユニバーサルフィールドは2022年1月で創業10年を迎えました。これまでは自分たちが表立って活動するのではなく、イベントの企画や開催などサポート役が多かったように感じます。まだまだ県内でも会社の名前を知らない人も多いはずです。

そこでこれからは、新しく誕生するランニングステーションをはじめ、さまざまな事業を通して会社の認知度を高めていくことが目標です。「健康」をキーワードにして、地域に根ざして活動している会社があると知ってもらうことで、健康やスポーツへの意識が高まり、地域活性化につなげていきたいと思っています。

学内だけでなく学外のコミュニティに積極的に関わってみて

就職や進路を考える高校生が、今のうちに取り組んでおきたいことはありますか?

私が高校生だったころを思い出してみると、学校や部活、家族以外のコミュニティと接する機会がありませんでした。

私たちがスポーツイベントを開催するときは、高校生のボランティアにもたくさん手伝ってもらっています。そうした姿を見ていると、自分も学生のころに学外のコミュニティと接しておけばよかった、と感じることがあります。

高校生のみなさんには、ぜひ学内だけでなく学外のコミュニティに触れる経験を増やしてもらいたいですね。学外のコミュニティは目上の人との交流も多いですし、得られる経験も増えていくと思います。就職や進路を考える際の幅がきっと広がるはずです。

最後に、高校生に向けてメッセージをお願いできますか?

自分の人生で「何に重きを置くのか」優先順位を付けてあげてください。この軸が見つかると、そこから逆算して物事を考えることができます。

たとえば、仕事を突き詰めていきたいのか、プライベートを充実させたいのか、国内で働きたいのか海外で働きたいのかなど、自分が優先したいことが分かれば、どんなジャンルの職業が向いているのか、必要な資格やスキルが何なのかイメージしやすいはずです。

一つひとつ確認していきながら、自分らしい人生の選択肢を探してみてください。

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