南九州で愛され続ける故郷の味、その進化形を世界にも
この企業について
地元で愛されてきた「しょうゆ」「みそ」をつくっています
日本は世界でも類を見ないほど、豊かな発酵文化を持つ国といわれています。その中でも、私たちの毎日の食卓に欠かせない「しょうゆ」「みそ」は、こうした日本の発酵食品の代表格。都城市の早川しょうゆみそ株式会社は、しょうゆやみそをはじめとした調味料などの製造・販売をおこなっている会社です。1885年の創業以来およそ140年近くにわたり、地元で愛される故郷の味を守り続けてきました。
早川しょうゆみそは「発酵食品をつくるのは微生物(こうじ菌)であり、その手伝いをするのが人の仕事」という考えから、温度や湿度などの管理を徹底し、こうじ菌が繁殖しやすい環境づくりにこだわっています。みそは気温によってやわらかさが変わってしまうため、四季のある日本で年間を通して同じ品質を保つことは容易ではありません。ベテラン社員が手の感覚でやわらかさを確認し、出来上がったみそが実際に使われる時季の気温を考えながら水分量を調整しています。こうして受け継いできた伝統の味を、南九州をメインに販売しています。個人のお客さまだけでなく、地元の多くの飲食店にも親しまれていて、売上の6〜7割は業務用となっています。
新感覚の調味料「umami・so」で、故郷の味を世界に届けています
早川しょうゆみそが心掛けているのは「自分が買いたくなるような商品づくり」。長く愛されてきた伝統の味を大切に守りながら、時代やライフスタイルの変化に合わせた新しい商品づくりにも取り組んでいます。研究・開発に5年をかけて発売したのが、みそを乾燥して粉末にした調味料「umami・so」です。化学調味料・保存料無添加でシンプルな「みそ」そのもののうま味を生かした「umami・so」は、ふりかけ感覚でサッと使える万能調味料。みその進化形として、雑誌やテレビでもたびたび紹介されています。海外からの注目も高まっていて、台湾・香港・シンガポールなどへも輸出しています。国際基準の食品安全システムFSSC22000に加え、Ecocertや有機JASなど数々のオーガニック認証を取得していることも、海外で受け入れられている理由の一つです。今後もさらに輸出地域の拡大を予定し、故郷の味をより広い世界へ届けていきたいと考えています。
次の100年に向けて、新しい技術を取り入れています
20代から60代まで幅広い年齢の人が活躍している早川しょうゆみそですが、会社の規模はそれほど大きくありません。仕事の状況に応じて社員同士でお互いの作業を手伝ったり、一つの仕事を全員でおこなったりと、助け合いながら働いています。毎日いろいろな作業に携わりながら、手間暇かけて商品をつくりあげることが、社員のやりがいになっています。
早川しょうゆみそでは、将来は若い世代が会社を担っていくことを見据えて、若い人たちが使いやすく、作業の労力をできるだけ減らせるような機械やIT技術を積極的に導入しています。また、これまでは多くの作業でベテランの感覚に頼っていましたが、そうした作業をデータ化して蓄積する取り組みを進めています。集めたデータによって、問題が起きたときの原因究明が早くできるようになり、伝統の技術を若い人たちに伝えていくことにもつながっています。早川しょうゆみそは、時代と世界に合わせて絶えず変革しながら、さらに100年以上続いていく会社を目指しています。
企業データ
社名 | 早川しょうゆみそ株式会社 |
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本社所在地 | 都城市西町3732 |
設立 | 1885年 |