明治18年創業の会社で、地元で愛される伝統の味を受け継いでいます

安藤さん 高城高校出身

友達、仲間、親の大切さを実感した高校生活

高校生のころはどんな生活を送っていましたか?

中学生のころ、バスケットボールの試合会場で高城高校の先生に声をかけられたことがきっかけで、高城高校の生活情報科に進学しました。

高校生活で一番思い出に残っているのが登下校の時間。通学に自転車で50分ぐらいかかっていたこともあり、友達とおしゃべりをしながら帰る時間が楽しかったです。雨の日には親が迎えにきて自転車を車に乗せてくれていたので、親の大切さ、ありがたさを感じていました。

体育大会では団長を務めて、みんなをまとめることの難しさを実感しました。なかなか言うことを聞いてくれなかったり、練習に来ない人などもいて大変でした。積極的に自分から一人ひとりに話しかけて、仲良くなっていくことでうまくいくようになり、団結力につながっていきました。“上に立ってみてわかることがある”と実感した経験でした。

就職先はどんな視点で選びましたか?

最初の就職先を選ぶときには、何をしたいというのもわからなかったし、給料などの待遇も重視していませんでした。勉強が得意ではなかったので、探していた条件は、試験などがなく面接だけで採用される会社。

そうして就職した先は、季節によって需要が異なる仕事でした。忙しい時期はたくさん働いて給料も増えましたが、暇な時期は休みも多くて給料も少ない。3年ほど働きましたが、次第に安定して働きたいと思うようになり、転職先を探しました。

インターネットを通じて見つけた今の早川しょうゆみそ株式会社は、週休2日でしっかり休みが取れ、残業も少ないという点で選びました。

一つひとつできることが増え、仕事を任される喜び

お仕事内容とやりがいについて聞かせてください。

早川しょうゆみそに入社して、今年の5月で3年になります。名前のとおりしょうゆとみその会社でみそ部門に所属し、みその仕込みと、できあがったみそを袋や業務用の樽に詰める作業を手作業でおこなっています。

やりがいを感じるのは、難しい作業も多い中で、一人で作業ができるようになったときです。

たとえば大豆を煮る作業。蒸気を利用して大豆を煮るのですが、蒸気がうまく入らないと大豆が固くなってしまいます。最初のころは、固い大豆ばかりになっていました。

大豆の固さが残ったままだと熟成時間もかかってしまうので、急ぎのときにはみそが足りなくなってしまいます。コツは一定の蒸気の強さにあるのですが、軟らかい大豆を煮ることができるようになるまで、1年ぐらいかかりました。

できなかったことができるようになり、任せてもらえることが増えるたびにやりがいを感じています。

会社のどんなところが魅力だと思いますか?

毎週金曜のランチタイムは、会社の製造部門全員、15人ぐらいがそろって一緒にご飯を食べます。そのときに提供されるのが、自分たちでつくったみそでつくるみそ汁。季節の具材などバリエーションが豊富なみそ汁なので、毎回楽しみにしています。

「こういうのはみそ屋ならではだな」という会社の雰囲気が魅力的だし、みんなでみそを味わえる時間があることをありがたいと感じています。

プライベートはどのように過ごしていますか?

仕事は朝8時から16時半まで。16時半だと道路も混まずスムーズに帰宅できるので、ゆっくりと疲れを癒すことができています。

土日は友人と釣りに行くこともあります。遠出をするときには鹿児島の桜島などに行きます。会社の先輩方も釣りが好きなので、一緒に行くこともあります。

自分一人で考えることには限界がある。素直に聞いてみることも大事

今後の目標について聞かせてください。

会社ではみそとしょうゆの部門で仕事がしっかり分かれているので、しょうゆのことはまったく分かりません。尊敬している部長はみそ部門で20年以上の経験があり知識が豊富なのですが、しょうゆ部門のことや、会社全体のことまで把握しているんです。

自分もみそ以外にも知識を広げていき、会社のことをより知ることでもっと会社の役に立ちたいので、しょうゆづくりも任せてもらえるように成長していきたいと思っています。

社会人の先輩から、高校生にアドバイスをお願いします。

分からないことや悩むことがあったら、素直に周りに聞いてみることです。

高校生から社会人になった当初の自分は生意気で周りが見えておらず、自分だけが一生懸命だと思っていたんです。仕事の仕方を先輩に聞かなくても、自分でもそれぐらいできると思っていました。

でもやっぱり、目で見て覚えることには限界があると思うんです。分からないことをすぐに聞くようにしたら、効率良く仕事ができるようになりました。納得がいかなかったことも、上司の考えを聞くことで納得できたんです。仕事の仕方を覚えていくうちに視点が変わってきて、昔の自分はバカだったなと思えるようになりました。

聞きにくいのなら、まずはしっかりとしたあいさつを心掛けることから始めてみるといいかもしれません。結構「ありがとうございます」も言えない人が多いんです。

その一言が言えるだけでも信頼感につながっていき、話をしやすくなると思います。社会人になっていろいろ経験してきたからこそ、コミュニケーションの基本といわれるあいさつの大事さを実感しています。

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