設計・建築で畜産農家の問題を解決している会社

養豚場や養鶏場で、動物を飼育する建物を「畜舎」といいます。三股町にある株式会社新原産業は畜舎の設計・建築工事をおこなう会社です。人間が住む家と違って畜舎では、飼育する動物が快適に過ごせるようにするとともに、飼育する人の作業の負担をできるだけ少なくするという両面での配慮・工夫が必要です。お客さまは南九州を中心に全国各地の畜産農家・企業で、大手のハムメーカーなどからの依頼もあります。リピーターとして長くお付き合いしているお客さまも多いなど、長年にわたり仕事の実績を積み上げてきました。

新原産業では、建築に使用する材料の仕入・販売や、えさ箱や柵などの製造、大型の換気扇ほか海外製の機器などの輸入もおこなっています。気温に合わせて開け閉めする畜舎用カーテンの製造・設置などもおこない、畜産の施設まわりに関するさまざまな事業を展開しています。幅広い事業を手がけることで、お客さまの困りごとを総合的に解決しています。

近年、新原産業ではデジタルと自動化技術を取り入れた「システム畜舎」の開発に取り組んでいます。鶏舎の自動空調システムの開発もその一つ。季節の変化や鶏の成長段階などの条件によって、適切な換気量を機械が自動で計算し換気扇を動かすことができるシステムで、スマホやパソコンでの動作チェックや遠隔操作も可能です。海外のシステムをベースにしていますが、日本の気候に合わせ、新原産業が培ってきた空調設計技術や電子制御技術でアレンジを加えました。数年前からは、システムの制御盤の一部を自社で製造しています。

新原産業は、自動空調システムを畜舎に導入してもらうことによって、お客さまが業務を効率よくおこなえるように働きかけると同時に、お客さまの事業の業績が上がるようにサポートしたいと考えています。今後もさまざまな環境データを集めることで、より信頼性の高いシステムづくりに取り組んでいきます。

新原産業では、ベテランから若い人までおよそ50人が働いています。現在は、特に若手を育てることに力を入れていて、たとえば新入社員に仕事を分かりやすく伝える動画マニュアルを作成するなど、さまざまな取り組みを手掛け始めています。ベテラン社員の幅広く豊かな知識と経験は、仕事に携わってもらうなかで若い世代に受け継いでもらいたいと考えています。

仕事をする上で、新原産業が大切にしているのは「創意工夫」です。たくさんの農場の現場と向き合い、お客さまの役に立つものを生み出そうと取り組んできた新原産業は、お客さまの悩みを解決するアイデア商品も数多く生み出してきました。斬新な発明ではなくても、今あるものにちょっとした工夫を加えることで解決できる問題がたくさんあると考えています。お客さまが「今困っていること」に寄り添いながら、本当に必要とされるものづくりができる会社を目指しています。