畜産資源の有効活用で、生産地の課題を解決する
この企業について
命の恵みを無駄にしない
食用牛や豚の全国有数の産地として名高い都城市にある株式会社栗山ノーサンは、昭和53年の創業以来、40年以上にわたり地域の畜産資源の有効活用に取り組んできた会社です。動物を食肉に加工するのは、動物から「命の恵み」をいただくことと同じと考え、食材としてできる限り無駄なく利用することが大切になります。
しかし実際は、一般にあまりなじみのない部位などを「不可食部位」として、大量に廃棄処分しています。栗山ノーサンは、廃棄される畜産資源をできる限りなくそうと、さまざまな取り組みを手掛けています。
取り組みの一つが「豚足の下処理加工」です。廃棄されてきた豚足を食肉センターなどから仕入れ、毛を剃ったり焼いたりするなどの下処理を施して、全国各地の食品会社などへ出荷しています。下処理では、お客さまに合わせてカットの形や焼き加減を変えたりサイズを選別したりといった要望にも対応しています。商品は、豚足だけでも50種類以上のラインアップがそろい、年間の加工高は重さ約300トンに上ります。
畜産の課題解決に幅広く取り組んでいます
近年はSDGsへの注目で、フードロスの問題が大きく取り上げられるようになりましたが、栗山ノーサンでは豚足の有効活用などで、食肉の廃棄量を削減してきました。現在は、より広い視野を持つことで、フードロスなど畜産での課題解決に取り組んでいます。
たとえば、養鶏農家から排出される鶏ふんを再利用する取り組みです。栗山ノーサンには、食肉用のニワトリの鶏舎内からふんを撤去する重労働を担う専門チームがあり、約100軒の養鶏農家と契約しています。撤去した鶏ふんをバイオマス発電を手がける会社に納めることで、鶏ふんを燃料に活用しています。
また、宮崎および近県の「と畜場」や食肉センターから出る豚や牛の皮の一部はヨーロッパなどで革製品に使われていますが、栗山ノーサンでは革になめす加工の下処理をおこなっています。今後は下処理についてさらに知識を深め、より多くの部位の革への活用を目指しています。
飲食店が提供したり、一般家庭でも手軽に食べられたりする加工食品の開発にも力を入れています。食べやすいようにやわらかく加工し、味を付けた豚足をはじめ、豚のハラミ肉の味付け品や豚モモ肉の生ジャーキーなどは、自社のオンラインショップでも人気の商品となっています。
さまざまな業務で若い力を発揮してほしい
栗山ノーサンでは19〜70歳と幅広い年齢層の人が働いています。ほとんどの人が未経験で入社し、丁寧に指導を受けながら実務に携わり半年ほどかけて仕事を学んでいきます。製造工場での現場作業のほか、近年増えている営業や商品開発、品質管理、製造管理などの業務を担う人材も求めています。
たとえば製造計画をつくったり製造結果の分析をおこなったりする製造管理チームでは、新入社員も多く活躍。問題の解決や仕事の効率化を図っています。今後さらに力を入れたいと考えているSNSなどを通しての情報発信やネット販売では、若い人材に活躍してもらおうと新卒も採用し始めています。
まずは「あいさつ、報告、相談」という基本を大切にしながら、将来的には「自分から問題を発見し、仲間と問題解決をしていける」人材を育てていきたい考えです。
企業データ
社名 | 株式会社栗山ノーサン |
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本社所在地 | 都城市横市町9762番地1 |
設立 | 1978年1月 |