自分が興味があることに嘘をつかない。情熱を持って進んでほしい

原口さん 都城高専出身

子どものころから好きだった生物の世界。今は仕事として携わる

これまでの経歴から教えてください。

大学を卒業後、愛知県にある住宅メーカーと家具の販売店で、計4年ほど働いていました。その後、地元の宮崎に戻って働きたいと考え、転職先を探していました。

せっかく働くなら、自分が大学で学んできた農学系の知識が生かせる職種を探そうと考え求人を探していたところ、栗山ノーサンに出会いました。ここで働き始めてから4年になります。

もともと、農業や食品といった分野に興味があったのでしょうか?

幼いころから、生物に関する分野に興味を持っていました。免疫や構造、遺伝子や解剖といった、よりサイエンスに近い分野ですね。そこで、都城高専の物質工学科を受験したのですが、そこは不合格になってしまいました。ただ、第2希望の建築学科には合格したので、せっかく受かったのだからと入学することにしました。

しかし、在学中も生物系に対しての興味は強く、「今の学科は本当にやりたいことと違う…」という葛藤が大きくなっていきました。そこで、このまま迷いながら学校生活を送るのはもったいないと、高専を2年次で修了して、高卒検定を取得後に大学を受験しました。

大学は自分がずっと学びたいと思っていた農学部に進み、好きなことを学ぶことができました。

自分が作っているからこそ、安心・安全だと自信が持てる

現在のお仕事内容を聞かせてください。

現在は、製造管理課に在籍して、自社で製造する食肉加工品の管理などに取り組んでいます。具体的には製造の記録管理やデータの蓄積、メンバーからのヒアリングなどおこなっています。

たとえば、豚肉を加工する場合「歩留まり(ぶどまり)」という割合を記録していきます。歩留まりとは、原料として使用した豚肉から、実際はどのくらいの出来上がり量だったのかを表す数字です。歩留まりが高ければ、原料を無駄なく使用したことになり、反対に歩留まりが低ければ無駄が多かったことになります。

こうしたデータを蓄積して、なぜ歩留まりが低くなったのか原因を追及していけば、無駄を減らして利益を高めることができます。記録をもとに今後の方針や営業用の資料作りを担当するのも私の仕事です。

お仕事でやりがいを感じる瞬間はどこですか?

食品を加工する際に使用する調味料の在庫管理や注文なども製造管理の仕事なのですが、製造するスケジュールを把握しながら管理をしなければなりません。臨機応変な対応が求められる業務ですが、そこが無駄なくぴったりとできたときは達成感がありますね。

それから、栗山ノーサンの本社玄関では自社の製品を販売しています。お客さまから「おいしかったからまた買いに来たよ」と喜びの声をかけてもらえると、本当にうれしいですね。

実は私も自社の製品をよく購入して自宅で食べています。自分が作っているからこそ、安心や安全には自信を持っていますし、そういった製品をたくさんの人が食べてくださっていることは誇らしく思いますね。

プライベートの時間はどのように過ごしていますか?

休日は、滝を眺めに行ったり自然に触れたりするのが好きですね。それから、温泉に入るのも趣味にしています。仕事の時間はどうしても室内にこもって作業することが多いので、外に出て気分転換をするようにしています。

それから、大学時代に軽音楽部に所属してベースを弾いていたので、今も自宅でベースを弾くのも楽しみの一つです。

好きなことから目をそらさないで。体験が選択肢を広げてくれる

では、これからの目標を聞かせてください。

今は営業からの依頼を受けて、現場の人が加工の計画を立てています。その間に製造管理の自分たちが入ることで、現場と営業双方の負担を減らせないかと考えています。

そうすれば、より効率的な仕組みを築くことができますし、みんながそれぞれの仕事に集中できると思っています。なかなか難易度は高いミッションですが、これから挑戦していきたいですね。

最後に、就職や進路を考える高校生に向けてメッセージをお願いします。

私は高専に一度入学したものの、やはり自分が興味があることに嘘はつけないと進路変更をしました。高校生のみなさんにも、好きなことからは目をそらないでいてほしいと思っています。ぜひ情熱を持って、自分が好きなことに進んでいってもらいたいです。

それから、学内・学外を問わず、たくさんのことを体験してください。体験を通して知識や経験が深まれば、選択肢の幅がぐっと広がります。情報をたくさん集めることも大事ですが、ぜひ実際にやってみることにチャレンジしていってください。

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