株式会社高千穂ムラたび

神話の郷から始まる、古くて新しいおもてなし

この企業について

高千穂と歴史的なつながりを持つ「どぶろく」

神様が舞い降りた場所という言い伝えから「神話の郷」と呼ばれる高千穂町。毎年11月から2月にかけておこなわれる伝統芸能「夜神楽」は全国的にも有名で、たくさんの観光客が訪れます。神楽の演目の中で、夫婦が仲良く「どぶろく」というお酒をつくるシーンがありますが、地元でこのどぶろくをつくっているのが株式会社高千穂ムラたびです。会社があるのは高千穂の中心地から30分ほど山道を進んだ秋元地区という場所で、近くには全国各地から毎年多くの参詣者が訪れる秋元神社があります。

神楽にも登場するほど歴史の古いどぶろく。原料となる米などをろ過しないのが特徴で、とろみや白いにごりがあり米の甘みやうまみを感じることのできるお酒です。

高千穂ムラたびは地元産にこだわったお酒づくりをしています。原料の米は標高600mの棚田で自分たちでつくっています。使用する水も名水として知られる秋元神社の湧き水です。こうした地元の自然の恵みを生かしたどぶろくを年間6000本ほど製造しています。

「どぶろく」の技術から広がる新しい商品

高千穂ムラたびは、どぶろくづくりの技術を生かしてノンアルコールの乳酸菌飲料をつくっています。甘酒に乳酸菌を加えた飲料「ちほまろ」は、「飲む点滴」といわれるほど栄養が豊富な甘酒に、腸の調子を整える効果があるとされる乳酸菌を加えて発酵させた飲み物です。砂糖や食品添加物を使用せずに自然の甘さを生かしてつくられているため、健康や美容に関心のあるお客さまが購入しています。定番のプレーン味のほか、へべす味やぶどう味、キウイ味など宮崎県産のフルーツを使った商品も製造していて、スーパーや空港、ネットショップなどで販売されています。ちほまろは国内だけでなく中国やシンガポールへの輸出もおこなっていて、健康志向のある海外の消費者にも好まれています。

高千穂ムラたびでは、どぶろくや甘酒をつくる際に生まれる「米ぬか」を活用するお菓子もつくっています。動物病院と共同で開発した商品は、食品添加物を使用していないことから愛犬と飼い主が一緒に食べられるおやつとして注目されています。

未来のムラづくりをしています

地元産の原料を使った飲料やお菓子など食に関わる事業をおこなっている高千穂ムラたびですが、一番初めに手掛けたのが「民宿まろうど」という宿泊施設です。秋元地区をわざわざ訪れてくれる友人たちのために、古民家をリフォームして宿を用意したことがきっかけでした。近年はフランスの旅行会社と提携するなどして国内だけでなく海外からの観光客も受け入れ、高千穂の食材を使った料理や自分たちがつくっているどぶろくなどでもてなしています。

秋元地区でも他の多くの地域と同じように人口の減少や高齢化が進んでいますが、高千穂ムラたびには、地元のスタッフだけでなく他の市町村や県外から移住して働き始めたスタッフもいます。そしてスタッフが他の地域との交流を通して新たなアイデアを生み出しています。ここにしかない貴重な資源を生かし、その魅力を多くの人に伝えていくことで、社会のさまざまな課題を乗り越える未来に向けたムラづくりをおこなっています。

企業データ

社名 株式会社高千穂ムラたび
本社所在地 西臼杵郡高千穂町大字向山6604
設立 2012年2月
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