人を引き付ける、五ヶ瀬のひたむきなお茶づくり
この企業について
有機栽培にこだわったお茶づくりをしています
近年、安心・安全な食を求める消費者が増えていることから、農薬や化学肥料を使用しない有機栽培の農業が盛んになっています。有機栽培で作物を育てるためには、雑草を手作業で取り除いたり農薬を使わずに虫よけをしたりしなければならず大変な手間がかかりますが、多くの消費者に支持されています。
今でこそたくさんの農家が取り組んでいる有機栽培ですが、まだ注目されていなかった40年近く前から無農薬のお茶づくりを進め、2001年には有機JASという公的な認証を受けたのが五ヶ瀬町にある株式会社宮﨑茶房です。当時は、大変な手間をかけたからといって消費者に受け入れられるわけではなく、有機栽培を継続するのは容易なことではありませんでしたが、「お客さまに安心して飲んでもらえるお茶を届けたい」という強い意志で続けてきました。
宮﨑茶房では、独特の香ばしい香りや風味が特徴の「釜炒(い)り茶」という緑茶をはじめ、紅茶やウーロン茶、ほうじ茶など100種類以上のお茶に、すべて有機栽培で育てた茶葉を使用しています。
五ヶ瀬の魅力を発信するための新たなチャレンジ
宮﨑茶房がつくるお茶はスーパーや土産店などでも販売されていますが、コロナ禍で売り上げが増加したのがネットショップでの販売です。外出を控えなければいけない状況が続き、自宅での時間を充実させようとお茶を購入する人が増えたためとみられます。また宮﨑茶房の緑茶や紅茶は台湾やカナダ、ドイツなど海外でも人気を呼んでいます。うわさを聞き付けた海外のビジネスマンが突然五ヶ瀬町に買い付けに来るほどです。
増加する注文に対応するため、現在、商品の包装などをおこなう工場を建設しています。工場は茶畑や雄大な自然が一望できる場所にあり、同じ施設内に直売所やカフェスペースを設けて、訪れる人たちとの交流やお茶摘みの体験などもできるように準備を進めています。さらにはお茶だけでなく五ヶ瀬町の魅力を発信できる場所にしようと、近隣の会社にも呼び掛けて地域の特産品や手作り品などを扱うことも計画しています。
自然と向き合いながら、地域とともに歩んでいます
茶摘みのシーズンは5月から11月あたりですが、有機栽培を実践する宮﨑茶房ではこの時期以外も1年を通じて茶畑での農作業をおこないます。夏には蜂が飛んできたり、冬には厳しい寒さの日があったりと、自然と向き合う仕事ならではの大変さもありますが、季節や年ごとに違った自然の顔を楽しむことができます。
ここでは15人ほどのスタッフが働いていて、地元の人だけでなく有機栽培やお茶づくりに興味を持って県外から移住してきた人も活躍しています。また移住した人からの口コミで宮﨑茶房のことを知り入社した人もいます。宮﨑茶房には茶畑での作業の他に、ティーパックやお茶の粉末をつくる仕事、会社や商品の宣伝をする広報の仕事などがあり、スタッフの希望や適性に合わせて配属を決めています。今後は、地域全体を活性化できるように、他のお茶農家と一緒に地元の小学生の職場体験を迎え入れたり、五ヶ瀬のお茶づくりを伝えていく活動をしたりしていこうと考えています。
企業データ
社名 | 株式会社宮﨑茶房 |
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本社所在地 | 西臼杵郡五ヶ瀬町桑野内4966 |
設立 | 2007年4月 |