幼いころからの夢である観光業界へ。結婚を機に五ヶ瀬へ移住
これまでの経歴から教えてください。
幼いころから家族で旅行に行くのが大好きで、その際にホテルや旅先で出会うスタッフの方のおもてなしや、振る舞いに憧れを持っていました。自分も将来はそういった観光業界やウェディング業界で働いてみたいと考え、進学先を探したところ、宮崎産業経営大学に観光ビジネスを専門に研究する先生がいると知り、進学することにしました。
在学中は経営学部で観光をテーマにしたゼミに所属して、観光業界全体のことや観光ビジネスについて学びました。結婚式場でアルバイトをしていたので、実際に現場の空気に触れたことでより想いが強くなっていきましたね。
大学を卒業後は宮崎市内のホテルで働き、自分の夢をかなえることができました。
宮﨑茶房さんへ入社した経緯を聞かせてください。
結婚をしてから、夫の地元である五ヶ瀬で暮らすことになりました。
働いていたホテルも退職したので、引っ越しをして新たに仕事先を探すことになりました。偶然、夫の叔父が宮﨑茶房の社長という関係で、職場が見つかるまでの予定で働かせていただくことになりました。
それがいつの間にかここが本職になってしまい…(笑)。今では働き始めて4年目を迎えています。
現在の業務はどのような内容ですか?
主な業務は、業者さんとのメールのやり取りや、最近オープンしたネットショップ(通販サイト)の管理、それから宮﨑茶房の公式SNSの運営業務などを担当しています。それ以外にも商品の企画にも参加していますね。
私が働き始めた当時は、商品の注文は電話のみの対応でした。社長から「若い人にもお茶の魅力や良さを知ってもらいたいけど、どうすればいいかな?」と相談を受けたので、若い世代になじみがあるネットショップやSNSを立ち上げてみては、と提案しました。
すると社長が快くOKを出してくださり、すぐにInstagramとFacebookの公式アカウントを作成し、ネットショップをオープンすることになりました。
全国から届くメッセージが仕事の大きなやりがいに
実際にネットショップやSNSを運営してみていかがですか?
当初は不安もあったのですが、学生時代に学んだ経営や企画立案の勉強がとても役に立ちました。
それから、宮﨑茶房で働き始めたころは、農家の仕事=農場での作業、というイメージを持っていました。当時は農業に興味もなく、働いていけるのか心配だったのですが、ネットショップやSNSといった業務に取り組むことで、私でも農家で貢献できる仕事がある、と良い意味での驚きを得ることができました。
業務の中で特にやりがいや喜びを感じる瞬間はどこですか?
商品の購入やSNSへの「いいね!」など、実際にお客さまから反応が返ってくるときはうれしいですね。
私はお茶づくりに直接関われないので、そのときどきのトレンドや季節商品を企画で提案しています。採用された企画の商品をSNSで告知すると、「楽しみにしています!」といったコメントが全国から届きます。実際に商品を購入したくださる方も多く、本当にうれしい瞬間ですね。
それから「あの商品がおいしかった」「こんな商品があれば飲んでみたい」といった、お客さまとの継続的なコミュニケーションも喜びです。宮崎の五ヶ瀬という場所から、全国の人とつながることができていると思うと、やりがいを感じますね。
プライベートの時間はどのように過ごしていますか?
夫や娘と一緒に過ごすことが多いですね。五ヶ瀬に移住してくる以前は、買い物や生活が不便ではないかと心配だったのですが、今はネット環境さえあれば不自由しないので、快適に過ごすことができています。
宮﨑茶房では県内外のさまざまな地域の出身者が働いているのですが、生活や子育ての面でたくさんのアドバイスをもらっています。
本格的にスローライフに取り組む移住者の方とのつながりも多く、一緒に餅つきをしたり、暖炉の火で料理をしたり、これまでできなかったさまざまな体験をさせてもらっています。
一つのことにとらわれずいろいろなことに興味を持って
お仕事面でのこれからの目標を聞かせてください。
ネットショップもSNSもスタートしたばかりで、知名度はまだまだなので、そこをもっと高めていきたいですね。
それから宮﨑茶房では最近、海外向けのお茶の輸出に力を入れています。現在はドイツや台湾などに出荷しているのですが、もっとたくさんの国の人々に私たちのお茶を届けられるように取り組んでいきたいですね。
最後に、進路を考える高校生に向けてメッセージをお願いします。
いろいろなことに興味を持つことに、ぜひ取り組んでもらいたいです。
私は学生時代から、将来は観光業界で働きたいとその分野の情報ばかり集めていました。ただ一度はホテルで働いたものの、現在は考えもしなかった職種に就き、想像もしていなかった土地で暮らしながら新しい世界を体験しています。
一方で、新しい世界でも、今までの知識や経験が生かされる部分がたくさんあることを知りました。だからこそ高校生の皆さんには、視野を広くもって、いろいろなことに興味を持ってもらいたいです。一つのことにとらわれずに、ぜひたくさんのことにチャレンジしてみてください!