株式会社岡田商店

地元の生産者とともに守り継がれてきた、大正元年創業の椎茸問屋

この企業について

県北で生産された乾椎茸を販売しています

全国第2位の生産量(農林水産省、2020年)を誇る宮崎県の乾椎茸(ほししいたけ)。椎茸栽培に適したクヌギの木が豊富にあることから、宮崎県は大分県に次ぐ一大産地として昔から椎茸の生産が盛んです。美郷町北郷にある株式会社岡田商店は100年以上にわたり乾椎茸を販売している老舗の会社です。

乾椎茸は、生の椎茸を乾燥させることによってうまみや香りが出るのが特徴で、栄養価が高くおいしいだしが取れることから古くから料理に使われてきました。岡田商店が販売しているのは、クヌギやナラの木に椎茸菌を植え付け1年半〜2年ほどの時間をかけて育てる「原木栽培」の椎茸で、美郷町や椎葉村、諸塚村などの地元の生産者が栽培しています。生産者から仕入れた乾椎茸は、長年にわたり経験を積んだスタッフが大きさや厚み、傘の開き具合などを確認しながら、工場で一つひとつ手作業によって選別や品質チェックをおこないます。チェックの後、梱包して出荷した商品はネットショップや全国のスーパーなどで販売されます。

椎茸が苦手な子どもにも人気の商品

食生活の変化にともない、特に若い世代で乾椎茸を食べる機会が減っていることから、岡田商店では新しい形で椎茸の魅力を伝えていこうと、椎茸を利用した商品の開発にも取り組んでいます。乾椎茸を細かく刻んで味付けした「椎茸パテ」や、餃子の肉の代わりに椎茸のミンチを使用して手羽に詰めた「ナバ手羽餃子」などを開発してきました。

椎茸パテは、そのままパンにのせて食べられるほか、パスタやリゾットのソースに加える調味料としても使うことができ、乾椎茸の新しい食べ方としてテレビや雑誌などで紹介されています。ナバ手羽餃子は地元美郷町の小中学校で給食として提供されていて、子どもたちに人気のメニューとなっています。子どもたちから寄せられるお礼の手紙には「椎茸は苦手だったけどナバ手羽餃子はおいしく食べられる」などと書かれていることも多く、生産者や岡田商店のスタッフの励みになっています。また開発した商品は数々のグルメコンテストで優勝するなど、そのおいしさが高く評価されています。

時代の変化に対応しながら地域と生産者を守っていく

岡田商店の経営を2015年に受け継いだ現在の社長は、創業者から数えて3代目です。代々の社長から受け継いできたのは、椎茸を販売する知識だけでなく、生産者を大切にする思いです。高齢化が進む中、一人でも多くの生産者が安定した椎茸栽培に取り組めるようにと、岡田商店に持ち込まれた椎茸はすべて買い取るようにしています。

また地元の学生の見学や職場体験を受け入れたり学校の授業で地元の魅力を伝えたりするなど、生産者に対する思いと同じように地域とのつながりも大事にしています。

こうして地域と生産者の支えによって守られてきた乾椎茸をより多くの人に届けようと努力しているのがスタッフです。先代の社長のときから30年近くにわたって会社を支えているベテランスタッフや、20代のころから現在の社長とともに会社を盛り上げてきた地元出身者などが活躍しています。乾椎茸の魅力をたくさんの人に伝えるために「だしソムリエ」の資格を取得してもらったり、SNSやホームページなどで料理のレシピや新しい食べ方を紹介したりするなどの取り組みも進めています。

企業データ

社名 株式会社岡田商店
本社所在地 東臼杵郡美郷町北郷宇納間63
設立 1974年4月
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