農業の人手不足に立ち向かう、ロボット開発ベンチャー
この企業について
ピーマンの自動収穫ロボットを開発しています
農家の平均年齢は2020年時点で67.8歳(農林水産省調べ)と高く、農家の数は年々減っています。農業に携わる人が少なくなると米や野菜などを作れる量が減るため、農業の人手不足は深刻な問題となっています。こうした課題を解決しようと野菜の自動収穫ロボットを開発しているのが新富町にあるAGRIST株式会社です。
この自動収穫ロボットは、ぬかるんだ地面を移動しなくても済むように、ビニールハウス内に張り巡らされているワイヤをつたって移動できるようにしていて、収穫のタイミングはAIが判断できるように開発されています。人が収穫するスピードに追い付くにはまだ開発に時間が必要ですが、1日中収穫を続けられるというロボットならではの特長もあり、テレビや新聞でも取り上げられ注目されています。
現在は主にピーマンの自動収穫をおこなうロボットを製作していて、すでに農家からの予約を受け付け、2022年の販売開始に向けてさらなる改良を進めています。
新しい農業に、自ら取り組んでいます
ロボット開発にはこれまでに多くの農家が協力しさまざまなアドバイスをいただいており、AGRISTはそうした農家の人たちに恩返しをするためにも、より効率良く農業がおこなえるようになるための研究・開発をしています。
栽培や収穫の研究を深めるためにピーマンやキュウリなどを育てる農業の会社をつくり、自動収穫に適したビニールハウスの開発もおこなっています。今後、このハウスは太陽光で発電した電力を使用して、地球温暖化に影響を及ぼす二酸化炭素の排出を減らすことにも取り組んでいきます。ハウス内ではロボットが移動しやすいように間隔を設けたり、収穫しやすい高さになるように苗を植えたりするなどの工夫をしています。また苗一本一本に番号を付けて野菜の発育状態や収穫量などのデータを取れるようにしていて、こうしたデータを栽培方法や収穫方法の研究に役立てています。
今後も農家と協力しながらIT化や自動化を進めることで、少ない人手でも効率良く農業がおこなえて100年先でも持続できる環境にしていきたいと考えています。
いろいろな地域から、さまざまな経験を持つ人が集まっています
AGRISTではロボットの開発をおこなう「エンジニア」と呼ばれる人たちが働いています。大学の工学部や工業系の高等専門学校を卒業した人が多く、別の会社でドローンをつくっていた人などもいます。エンジニアの他に、お金の管理などをおこなう「経理」の仕事や、会社の宣伝などを担う「広報」と呼ばれる仕事をしている人もいます。知識や経験が必要な仕事もありますが、AGRISTでは何よりも会社が大切にしている価値観に共感できるかどうかや、同じゴールを目指せるかどうかを大事にしています。実際に、以前はまったく関係のない分野で働いていて未経験から始めたスタッフもいます。出身地もさまざまで、スタッフの約3分の2はAGRISTに入るために移り住んできた宮崎県外の出身者です。
ここで働いているスタッフに共通しているのは農業という分野で社会貢献がしたいという思いで、それにつながるロボットの進化や農家の人たちのサポートにも喜びを感じています。
企業データ
社名 | AGRIST株式会社 |
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本社所在地 | 児湯郡新富町富田東1丁目47番地1 |
設立 | 2019年10月 |