暮らしを支え、人生の最期に寄り添う多面的ケア。地域の健康を守り続けるため、様々な取り組みに挑戦しています。

宮崎県都城市安久町。「地域のかかりつけ医」として、内科・精神科（もの忘れ専門外来、パーキンソン専門外来）認知症デイケア・リハビリテーション科・歯科など幅広い医療サービスを提供するライフクリニック。患者さんに寄り添った診療を続けています。認知症ケアに加え、歯科の訪問診療を行っていることも大きな特徴のひとつ。一人暮らしの高齢者や寝たきりの方、交通の不便なエリアにお住まいの方などに口腔ケアを行っています。通院できない方の歯のケアは、地域医療において重要な課題。口内環境や食事習慣に積極的に関わっていくことで健康な生活づくりを支えています。

目指す姿は、ドクターをはじめとするスタッフと患者さん、おたがいの顔が見える診療所。一人ひとりの人生と向き合いながら、毎日をいっしょに歩く家族のような存在、ほっとする笑顔がいつもあふれている場所でありたいと願っています。

認知症の方にとって言葉によるコミュニケーションはとても難しいこと。ですが、決して感受性を失っているわけではなく、むしろ私たち以上に敏感な部分も少なくありません。スタッフ同士のやりとりから「ギスギスした雰囲気」を感じ取ってしまったり、表情や声のちょっとした変化から「自分が軽く扱われている」と疎外感を抱いたり、非常にセンシティブなんです。だからこそスタッフ同士が仲良く、そして気持ち良く仕事に取り組める職場環境づくりが大切。ライフクリニックでは院長の指導のもと「働きやすさ」にこだわった業務体制を整えています。人間関係やチームワークも医療行為の一部。患者さんやご家族に安心して私たちを頼っていただけるよう、院内の雰囲気には特に気を配っています。

また、チームワークを高めるための情報共有の仕組み、スキルアップ支援のための勉強会なども充実。認知症はさまざまな視点からの柔軟で幅広いサポートが必要になるため、毎週、福岡大学病院から専門医をお招きし、外来診療や定期的にケアを深めるための研修を実施しています。一人ひとりが高い意識を持ち、質の高い医療サービスを提供する。ドクターやスタッフと患者さんの間に信頼関係をつくる。この両輪が当クリニックの強みです。

地域の皆さまの暮らしに欠かせない医療面のサポートを担当しているライフクリニック。在宅での暮らし、入所施設での暮らし、いずれの状態でも福祉事業所などとしっかりと連携して、日々を自分らしく過ごせるよう、健康面を支えています。

地域医療において、認知症の早期発見は非常に重要なポイント。ライフクリニックが「もの忘れ外来」や「パーキンソン外来」に対応しているのは、そうしたニーズに対し初期段階から関わっていくためです。症状の進行度によっては生活の質が大きく改善することも多く、ご家族から感謝されることも珍しくありません。また、訪問歯科診療や外来・リハビリ・デイケアの送迎は、患者さんの移動の負担を軽くしたいという思いから。宮崎という土地に根付き、地域にマッチする最適な医療サービスを提供していきます。

当クリニックでは「人を診て、病気を診る」ということを大切にしています。これはバイタル（人が健康かどうかを示す基本的な体のサイン、体温や脈拍、呼吸の様子、血圧の強さを数字として測る）の数値や現れている症状だけなく、患者さんが本当に望んでいることを察知しよう、という意味。マニュアル通りの応対では不十分で、こまめな声かけや気遣いが求められる仕事なんです。「この人はどうすればもっと幸せになれるだろう？」と考え続ける努力。それがライフクリニックの看護スタッフに求められる資質です。

ご家族のみなさんも、支援者である私たちも、意思疎通の難しさから生じる精神的負担は決して軽くなく、そのため現状はある程度キャリアを積んだ看護スタッフを配置しています。患者さんときちんと向き合える看護師になりたい方。おじいちゃんおばあちゃんに幸せになってほしい方。仕事を頑張りながらプライベートもしっかり充実させたい方。そんな方にとって、ライフクリニックはきっと最高の環境に感じられると思います。

高校生の年代で「看護の分野を志す」というのは、同世代の多くがまだ将来の方向性を模索している中で、医療という責任ある世界に早くから関わり始めるということです。技術や知識を身につける大変さはもちろん、患者さんの人生やご家族の幸福など、若いみなさんにはなかなか想像が及ばないかもしれません。認知症ケアは毎日の健康管理から看取りまで、人生の最期に寄り添う仕事。ときには感情を揺さぶられるような出来事にも遭遇するはずです。しかし、焦りは禁物。経験を積むことでじっくり自身の器を広げ、患者さんから信頼される看護師へと成長してくれることを期待しています。