遊び場から命を守る設備まで、空気を使って生み出す会社

観光施設などで子どもたちに人気のエアー遊具。空気でふくらませた巨大な遊具の中で、子どもたちは思い思いに飛び跳ねながら遊ぶことができます。このエアー遊具を使ったイベントをおこなっているのが、宮崎市にある株式会社ワン・ステップです。遊具の企画からイベントの運営までをおこなえる会社は九州でも少なく、ワン・ステップが提供しているエアー遊具は、アミューズメントパークや観光施設、住宅の展示場などさまざまな場所に設置されています。

遊具の他に、屋外で映画を上映することができる巨大なスクリーンなども提供しています。空気でふくらませるだけで使用できるため、工事などが必要なく簡単に設置できるのが特長です。この巨大なエアースクリーンは、車に乗ったまま映画を見られるドライブインシアターというイベントで使われていて、人と人との接触がないイベントとしてコロナ禍でさらに注目を集めています。

ワン・ステップは宮崎県以外に、静岡県と千葉県にも支店があるため、全国のさまざまな場所でエアー遊具などを使ったイベントをおこなうことができます。

ワン・ステップには「エアー防災部門」というチームがあります。このチームでは、エアー遊具の企画を通して学んできた知識や技術を防災に役立てようと、感染症対策のための商品や防災用の設備の開発をおこなっています。2020年には、感染症の患者を隔離して治療するために使うエアー式の病室を開発しました。エアー遊具と同じように、空気でふくらませてわずか数分で設置することができます。特別な空調設備で空気の流れをコントロールすることができ安心して使用できることから、全国の介護施設などからたくさんの問い合わせがありました。

他にも、避難所でプライバシーを守るための間仕切り「ジョイントエアーパネル」や、水害時に車を浮かせて水没するのを防ぐ「自動車水没防止フロート」などを販売しています。開発している防災設備はどれも設置するのが簡単で、使用しないときには小さく収納できるためとても便利です。遊具から始まったアイデアがいろいろな分野に生かされています。

ワン・ステップでは月に1回、社員全員が参加する会議をしています。この会議では新しい商品の企画や、より良い仕事をしていくための提案、社員それぞれの成功体験のシェアなどをおこなっています。たとえば新商品の企画に関しては、事前に提案されたアイデアの中から面白そうなものを選び、商品のターゲットや料金などについて話し合います。その後、関係する役割の人たちが商品化を進めていきます。入社したばかりの社員の企画が採用されることもあるため、一人ひとりが真剣にアイデアを出します。自分の考えた企画が実際に商品になることで仕事の楽しさを感じることができます。

20代の若い社員が中心となって活躍するワン・ステップ。目指しているのは、「社員・スタッフ・お客さまが、心の底から『感動』できるシーンを創造する会社になる」ことです。これからも次々とアイデアを形にして、お客さまを感動させられるようなたくさんの商品やイベントを生み出していきます。