人の手助けをしたり、サポートしたりする仕事に就きたかった
現在のお仕事内容から聞かせてもらえますか?
社会福祉法人スマイリング・パークが運営している特別養護老人ホーム「ほほえみの園」で生活支援員として働いています。
具体的な仕事内容は、入居者さまの食事介助や排泄介助、入浴介助や着替え、口の中を清潔に保つための口腔ケアなどを担当しています。入居者さまが生活する上で必要な、身の回りのサポートをするのが私の仕事です。
ースマイリングパークに入社された理由を教えてください。
中学生のころに職場体験で老人ホームを訪れる機会がありました。そのときに人の手助けをしたり、サポートしたりする仕事にとても興味を持ちました。
その経験があったので、高校生で進路を選ぶタイミングでも、人のお世話や手助けができる職場を希望して就職先を探しました。いくつかの候補の中からスマイリングパークを見つけ、実際に職場を見学させてもらいました。職員の方々がとてもやさしく接してくださり、仕事内容にもとても魅力を感じました。
就職先を選ぶ際は、人間関係や職場の雰囲気が自分に合うのかも大切にしていたのですが、「ここなら大丈夫だ」と感じ入社を決めました。
「ありがとう」の感謝の言葉から得られる、人の役に立てている実感
実際に働きはじめて、やりがいを感じた部分はどこでしたか?
ケアやサポートをした入居者さまから、直接「ありがとう」と感謝の言葉をかけてもらう瞬間がうれしいですね。面と向かって伝えてもらえると、自分が人の役に立てている喜びを感じることができます。
それから入居者さまの状態は一人ひとり違っていて、個別にコミュニケーションやサポートを検討しなければなりません。「この方にはどうやって話しかけよう」「こんなケアの仕方はどうかな」とその都度調整する必要があるのも、働いていてやりがいを感じられる部分です。
反対に、お仕事をしていて大変だと感じた経験はありましたか?
入社した当初は仕事について何も分からない状態だったので、不安が大きかったです。特にトラブルに対して臨機応変に対応できず、焦ってしまったり慌ててしまったりと、慣れるまで大変でした。
それでも、慌てている私の姿を見て先輩スタッフの方々が「大丈夫だよ」「これから覚えていけばいいよ」と声をかけてくださいました。そういった声かけが自分にとっての安心材料になって、とてもありがたかったですね。
入社から1年以上経った今ではずいぶん余裕が持て、落ち着いて対応できるようになってきました。
施設では積極的にICT(情報通信技術)機器を活用されているのが印象的でした。
ほほえみの園では、デジタル技術を介護現場で活用する取り組みを積極的に進めています。私も入社した当初はとても驚きました。
たとえば、配膳ロボットはスマホで遠隔操作が可能で、自動で各フロアを移動して食事や飲み物を運んでくれます。それから、入居者さまの睡眠状況やバイタル(血圧や体温、脈拍)はリアルタイムでモニタリングしており、すべてスマホやタブレットに自動で共有・記録されるようになっています。
入居者さまがお部屋で呼び出しボタンを押したときは、すぐにスタッフのスマホで映像を確認でき、すばやく状況をチェックすることが可能です。スタッフは骨伝導式のイヤホンを付けているので、両手が塞がっていても呼び出しのコール音やスタッフ同士の連絡事項を確認することができます。
デジタル技術をこれだけ活用している介護施設は全国的にも少ないです。デジタル技術でスタッフの負担が減れば、それだけ入居者さまへのケアやサポートに気を配ることができ、私たちも働く上で安心感を得られます。スタッフにはスマートウォッチが貸し出されるので、自分の睡眠やストレス指数を確認して、日々の健康管理に役立てています。
働きはじめて気付いた、コミュニケーションを取る大切さ
では、これから働いていく上で挑戦してみたいことを教えてください。
福祉系の国家資格である「介護福祉士」の資格取得を目標にしています。受験資格を得るには、福祉施設で3年以上働く実務経験が必要です。まだ時間はかかりますが、受験資格を得てからすぐに動き出せるように今のうちから準備をしておきたいと思っています。最近はテキストや教材を使って勉強をしたり、先輩たちの介助や支援を手本にするようにしています。
それから施設全体のことでは、一緒に楽しんで暮らしていけるような施設や場所を目指していきたいです。入居者さまにとってここは「家」と同じ場所です。少しでも楽しく心穏やかに過ごしてもらえる空間を築いていけるように取り組んでいきたいですね。
最後に就職や進路を考える高校生に向けて、アドバイスを聞かせてください。
勉強にしっかり取り組んでおくことは大切ですが、早めに進路の方向性を決める準備をしておいてください。私は進路が決まるのが遅れてしまい、焦って情報を集めたり調べたりしました。今になって思うと、もう少し早い段階から準備しておけば、じっくり将来について向き合う時間が作れたはずです。
それからコミュニケーションの大切さを、働きはじめてからあらためて感じています。入居者の方やスタッフの方と話すときに、どう話せばよいのか悩んでしまう場面にたくさん出くわしました。高校生のころと違ってコミュニケーションを取る方の年齢層も広がるので、今のうちから積極的にコミュニケーションを取る練習をしておくと、自分の助けになるのではないでしょうか。
自分にできることをしっかりやりながら、自信を持って就職や進路選びに取り組んでください。