学生時代に出会った“未知なる植物”に惹かれて入社
現在のお仕事内容から聞かせてください。
ライチや芝の生産・販売、サツマイモの加工をおこなっているミキファームに勤務して、今年で2年目です。入社1年目はライチの生産をメインに、2年目からは芝の業務も担当しています。
ライチは13棟ほどのハウスで栽培しています。潅水(かんすい)と呼ばれる水やりや不要な実を間引く摘果、枝の剪定作業を一年通しておこなっています。6月ぐらいから実が赤く熟してきて、収穫時期は夏場。夏の1ヶ月間はライチ摘み取り園としてお客さまに収穫を楽しんでもらっています。
芝の業務では育てた芝を専用の機械ではぎ取る収穫作業や芝張り工事をおこなっています。ライチや芝以外にもいろんな仕事を任せてもらっているので覚えることだらけですが、職場の先輩方に助けていただきながら日々業務に取り組んでいます。
入社の経緯を教えてください。
高校の園芸科学科を卒業後、宮崎県立農業大学校へ進学し、2年間果樹について学びました。農業大学校では自分の担当の果物を決め、実際に1年かけて育てることになっていて、僕が担当したのはブドウとライチでした。そのときにライチって珍しいし、植物として面白いなと感じたんです。
ライチは木に実をつける作物なので、イチゴやトマトのように収穫後に植え替えるわけではありません。夏に収穫したあとも木の手入れをしながら栽培することで、再び収穫のシーズンを迎えることができます。永続的とでもいうのか、ワンシーズンで終わらず、手を掛けて長く育てていくところにライチの魅力を感じました。
といっても、学生のころはそれほど専門的にライチを育てたわけではなかったので、自分の中では“未知なる植物”というイメージのままでした。それでもっと本格的にライチの栽培に携わってみたいと考え、ライチの生産をおこなう弊社へ就職しました。
作物が一日一日変化していく様子をそばで見られる仕事
お仕事でやりがいや楽しさを感じるのはどんなときですか?
毎日ライチの世話をしていると、一日一日変化が訪れることに気付きます。特にシーズン中は変化が分かりやすくて、花が咲いて実がついて、青かった実がだんだんと赤く熟していく。小学生のときに育てた朝顔のように日に日に成長していきます。
その様子を間近で見ることができるのは、やはりつくり手ならではだと思いますし、一番楽しさを感じるところですね。
あとは夏に向けてハウス内はどうしても暑くなってきます。サウナみたいな状態で作業したりするので毎日が暑さとの戦いです。その分、ハウスを一歩出て外の風に触れた瞬間は「ああ、気持ちいいな。仕事したな」って気分になりますよ。
休日やプライベートはどんなふうに過ごしていますか?
勤務はシフト制で、就業時間は8時から17時まで。残業もそれほど多くなく、プライベートの時間はよく取れています。
僕はもっぱらインドア派なので、自宅で動画を見たり、ゲームをしたりして過ごしています。最近お給料でちょっと立派なゲーミングチェアを購入しまして、休日は黙々とゲームに励んでおります(笑)。
今年7月に千葉の幕張メッセでゲームイベントが開催される予定なので、それに合わせて一人旅の計画も立てているところです。
寮生活で身に付いたコミュニケーションスキルが役に立っている
お仕事での今後の目標を教えてください。
ライチでも芝でも今はまだ目の前の仕事をこなすことで精一杯ですが、一つひとつ積み重ねながら、栽培方法や農業自体の知識をもっと身に付けていきたいと思っています。
あとは生産管理の仕事にも興味があります。生産管理とは農作物の品質や収穫量を上げるにはどうすればいいのかを考え、生産計画を立てること。ライチでいうと糖度が高いもののほうが高品質ということになるので、そのために土、水、肥料などあらゆる観点から生産計画を練っていきます。
収穫量を増やし、それに並行して品質も高めていく。多くのお客さまに喜んでもらえる作物づくりを探求していくことが今の目標ですね。
最後に、社会人として高校生に向けてメッセージをお願いします!
同年代が集まる学生時代と違って、会社に入ると周りとの年齢差って大きくなると思うんです。実際僕も60代、70代の方と一緒に仕事をしています。
いろんな年代の人が集まる環境ではしっかりとあいさつをしたり、敬語など丁寧な言葉遣いで話したりといったことがとても大切に感じます。コミュニケーションの基本とでも言いますか、そこが押さえられていれば世代を超えた相手ともスムーズに会話ができて、気持ちよく働くことができるんです。
僕自身は高校3年間の寮生活でコミュニケーションスキルやマナーが身に付きました。厳しい上下関係でしたけど、そのころの経験が社会人になってとても役に立っているなと思います。
上下関係なんて古臭いと思う人もいるかもしれません。でも得られることも結構多いのではないでしょうか。高校生のみなさんも、ぜひ部活や団体行動などを通して、コミュニケーション能力を高めておいてください。