理解が深まるにつれて、介護の仕事っていいなと思えた
現在の仕事内容から聞かせてください。
住宅型有料老人ホームケアホームさくら荘で施設長として勤務しています。施設全体を見ながら運営・管理をする仕事です。利用希望者の見学や入所手続き、職員の採用業務などをおこなっています。
と言っても実はまだ施設長になって1ヶ月足らず。今は前任から仕事を引き継ぎながら業務にあたっているところです。
介護業界に入ったきっかけを教えてください。
農業高校を卒業後、食品関係の会社に勤めましたが、身内の介護をきっかけに介護の勉強を始めたんです。講習会にも通い、介護についての理解が深まる中で介護の仕事に就きたいという気持ちが強くなって、ヘルパーの資格を取りました。
介護業界に移って、最初は知り合いが勤める病院の看護助手として2年ほど働きました。次に有料老人ホームの介護士として8年勤務し、2年前に今の職場に転職してきました。介護職のキャリアとしては12年ほどでしょうか。
仕事を始めるときは介護の経験もあったし、知識も身に付けていたので不安はなかったんですが、それでも最初は慣れなくて大変でしたね。学んだことと実際の業務はちょっと違っていたり、教科書で見たことを実践するとなるとイメージ通りにできないことも結構あって。現場で実務にあたりながら目の前の仕事を覚えていく、当時はそんな毎日でした。
ちゃんと評価してもらえる職場環境を目指して転職
入社の決め手はどんなことでしたか?
介護士としてのキャリアアップを目指したときに、きちんと評価してもらえる環境に行きたいと考えるようになりました。そう思ってインターネットで転職先を探し、見つけたのが有限会社聖でした。
弊社には職員の評価制度や退職金制度、充実した福利厚生が設けられています。利用者さまはもちろん、働くスタッフも満足できる環境づくりというところに魅力を感じ、入社を決めました。
実際のところ入社して1年で副主任、2年目には施設長の役職に挑戦させてもらっています。前職までの経験とこの会社に入ってからの頑張りを認めてもらえたのはうれしいですし、客観的に評価をしてもらえるのは働く上でのモチベーションになっていますね。
施設長になって仕事の面で何か変化はありましたか?
これまでの働き方と比べて、自分でスケジュールを管理することが増えました。現場で利用者さまのケアを担当していたときは決められた時間に決められた業務をすることがほとんどだったので、自分で毎日のスケジュールを立てて動くことは新鮮に感じています。
また現在は夜勤がなく、平日の日勤のみという働き方です。施設管理者として責任ある立場になりましたが、リズムよく休みが取れるのも変化としては大きいですね。休みの日は妻と一緒に買い物したり、自宅で映画を見たりと好きなことをして過ごしています。
どこでも求められるコミュニケーション能力を学生のうちから鍛えておいて
どんな将来像を描いていますか?
「施設長になりたい」という目標を持ってこの会社に入り、今はそれが達成できたところなので、次の目標と言われると…正直具体的には考えていません(笑)。
「施設を立ち上げたい」と考えることもあるのですが、介護業界はどうしても人手不足でどの職場もスタッフが足りていない。だから施設をつくっても人が集まるのかどうか、悩ましいところですね。
でもひとつ言えることとしては、介護って結構広い世界なんですよね。現場の仕事だけがすべてじゃないというか。僕みたいに施設長や主任として施設やスタッフのマネジメントをおこなうこともできますし、たとえばケアマネージャーの資格を取って、利用者さまの介護支援策を考えるところから介護に関わることもできる。
経験や資格取得を武器に、自分に合ったキャリアを築いていけるのが介護の世界なのかなと感じています。
最後に、社会人として高校生にメッセージをお願いします!
自分の考えを言葉にするとき、一旦立ち止まって「この言い方でいいかな」「この内容で間違っていないかな」と頭の中で確認したり、職員に「もっとこうしてほしい」と伝えるときも一方的にならず、相手の話もしっかりと聞く。当たり前のことではありますが、相手を思いやる丁寧なコミュニケーションを日頃から心掛けています。
コミュニケーションに関して言えば、社会人としてどこでも必要とされるスキルかなと思いますね。どんな仕事に就いたとしても人との関わり合いは出てきますし、コミュニケーションが上手だと自然と仕事もうまくいく気がします。
高校生のみなさんには、自分本位にならず、相手のことを考えてから発言するような癖をつけておいてと伝えたいです。簡単ではないかもしれませんが、まずは友達同士など身近なところから始めてみてください。きっとそれが社会に出たときに役に立ちますから。