中学生のころから福祉の道に進みたいと思っていました
福祉の道に進もうと思ったきっかけはどんなことですか?
中学生のころから福祉系に進みたいと思っていたので、宮崎日大高校の普通科を卒業した後は、田野町にある宮崎医療管理専門学校に進学しました。
母が精神科の看護師として長年働いていたことから、勤務先の病院でイベントがあると私も足を運び、利用者の方と触れ合う機会があったので身近だったんです。
一度、作業療法士の体験学習をさせてもらったことがあります。作業療法士とは日常生活から社会生活まで、その人らしい生活が送れるように「体」と「心」のリハビリテーションを行う専門職です。おじいちゃん、おばあちゃんたちがメインだったんですけど、箸やスプーンをうまく持てない、食べ物をすくえないという状況がありました。
子どものころから違う形で将来に向けて訓練ができたら変わるんじゃないかな、と思ったことから福祉の世界に興味を持ち、最終的に子どもが好きだから子どもを支援できる道に進もうと思いました。
高校で部活はされていましたか?
中学校までは部活をしていたけれど、学校の中だけでは学べないことがあると思っていたので、社会性を身につけたくて高校3年間アルバイトをしていました。アルバイトは接客業で目上の方と話す機会も多く、そのときの経験が社会に出てもすごく役立ちました。
今、私はお仕事で、障がいのある小学校1年生から高校3年生までのお子さんの支援をおこなっています。
20歳で入社し、保護者の方とのやりとりも多い日々。どんな話し方をすれば良いのか、送る相手によってどんなメールを送れば失礼にはならないのか。最初は緊張もしたけれど、アルバイトで培った経験がすごく役に立ったなというのを感じています。
実際の現場では授業や教科書では学べないことばかり。大切なのは信頼関係
今の会社で働くきっかけは?
授業の中で先生がちらっと「放課後等デイサービスという、新しくできたものもある」って言ってたんです。
「放課後等デイサービスって何だろう?」と疑問に思って自分で調べていったら、障がいのある子どもたちが放課後や長期休暇中に利用できる福祉サービスということを知って、すごく興味が出てきました。
まずは自分で体験してみなきゃダメだなと思ったので、ボランティアとしていろんなところに参加させていただきました。
今の勤務先であるGood Jobsでは、将来を見据えて小さなうちから働く力を育てていく取り組みをしていることが興味深くて。また、先生と子どもたちの関係が良くてすごく楽しそうでした。
ボラシェアは働かれている方が女性の割合が多く、その中で“一緒に歩こう”みたいな一緒に寄り添う温かい感じがあり、「私もこうなりたい」という理想と重なったことがきっかけです。就職して3年。現在では従業員、役員共に女性の割合が過半数を占めています。
仕事の楽しい部分、やりがいになる部分ってどんなことですか?
子どもの支援をする中で、子どもとの信頼関係がすごく大切になってくるんです。信頼関係を結んだ上で、自分も子どももお互いに心を許し合って、分かり合えて、そこから自分の支援が子どもの成長に実を結んだときがすごくやりがいに感じます。
Good Jobsの子どもたちはいろんな個別の文化を持っている子たちが多いんですけど、授業や教科書で「こういう特徴がある」と学んだことと実際は全然違う。どういうふうに対応したら良いのかというのは一人ひとり違うので、最初は分からないことが多いです。
その時々の子ども達一人一人の言葉や表情から、何が原因でその行動につながっているのかを少しずつ探していく。時間をかけ理解した上で、その子に合った適切な支援ができたときがうれしいですね。
学生のうちに視野を広げてみたら、その後がすごく変わると思います
将来の目標やなりたい姿はありますか?
相談支援専門員になりたいという夢があります。相談支援専門員は、利用者の方にとって最適な支援につなげるためのサポートを行うお仕事です。
事業所を訪れる相談支援専門員の方と接するうちに、私は表に立って皆を引っ張っていくより、中立役というか、つなげる役が自分に合っているんじゃないかと感じるようになりました。
別の観点から保護者や子どもたちを支援することによって、また違うものが見えてくるんじゃないかなとも思うので、興味があります。
相談支援専門員になるためには、もっといろんな知識をつけていかなくてはなりません。障がいのある方達が一人でも多く働けるように、子ども達のいまの支援のことだけでなく、将来の就職に向けた知識をつけていきたいと思っています。
高校生に向けてアドバイスをお願いします
高校生は卒業までに長期の休みがあるので、いろんなところに足を運んで、いろんな人と触れ合うのがいいと思います。時間やお金がないと思う人もいるかもしれないけど、短期バイトや半日バイトなどもあるので。
私自身、学校以外の場所や人に触れ合う機会を作ることの大切さを実感しました。
同じ学校の同じ年代の人と話すのも大切なことですが、ちょっと目上の人と話をしてみると違う答えが返ってきて、新しく気づくこともある。
写真や動画でいいなと思った場所も、実際に行ってみたら違ったということがあるじゃないですか。だから面倒くさがらずに学校の外に出てみて、自分の目で見て体験してみるっていうのが、本当にいいこと。
そうやって学生のうちに人との輪を広げてみるといいですよね、そしたらすごくその後の人生の視野が変わるだろうなって思います。