仕事は楽しんだもの勝ち。どうすれば面白くなるか考えることで、悩みや課題を解決して

中川さん 宮崎農業高校出身

インターンシップでの職場体験と社長の熱い想いに触れ入社を決意

これまでの経歴を教えてください。

もともと祖父や親戚が農家だったので、幼いころから作業の手伝いをしていました。その過程で農業に興味を持ち、宮崎農業高校の生物工学科に進学しました。高校生のころは畑で作物を栽培したり、田んぼで稲を作ったりと、さまざまなことを学びましたね。

なかでも授業の一環として取り組んだニワトリの解体は、今でも心に残っています。私たちが口にしている食品は、すべて命あるものだと実感することができました。今の仕事でも作物という命を扱うという点で、そのときに感じた気持ちを大切にしています。

また、高校では園芸流通部という部活に所属していました。授業の延長として畑で収穫した野菜を調理してレポートを作成したり、宮崎市の楠並木通りで開催される「楠並木朝市」の運営サポートなどの活動をしていました。

進路を考える段階になって、より深く農業について学びたいと考え、高鍋にある県立農業大学校に進学しました。

デイリーマームへはどのような経緯で入社したのですか?

就職活動に取り組んでいましたが、なかなかうまくいかず苦戦する日々が続いていました。すると、農大の教授からデイリーマームという企業のことを教えてもらいました。最初はどんな企業かイメージできなかったのですが、「迷っているなら実際に行ってみればいい」とアドバイスをいただき、1週間のインターンシップに参加しました。

インターンシップから戻ってからも悩んでいたのですが、偶然デイリーマームの社長が農大を訪れる機会があり、校長先生を含めて3人でお話する機会がありました。じっくり話を聞いていると、社長の企業への想いや強い情熱を感じることができました。

その場で「デイリーマームで働かせてください!」とお願いし、快く採用していただけることになりました。

それから、デイリーマームでは自社で栽培した作物を商品などに加工して、お店での販売までおこなう6次産業化に取り組んでいます。生産(1次産業)、加工(2次産業)、販売(3次産業)のすべてを掛け合わせることから、6次産業と呼ばれているのですが、学生時代からこの分野に興味を持っていたので、自分が学んできたことが生かせる環境であった点も決断した理由でしたね。

ごぼうの状態に合わせて揚げ具合を細かく調整。おいしい商品を作るための工夫がやりがいに

現在のお仕事内容を教えてください。

現在は、デイリーマームで販売している「ゴボチ」をはじめとした揚げ菓子の製造を担当しています。

ゴボチは、ごぼうをカットしてから粉付け、揚げ、味付け、乾燥、梱包と工程ごとに業務が分かれているのですが、自分はフライヤー室で揚げの工程を担当しています。

それから、製造計画を立てるのも私の仕事です。ごぼうの状態によって製造できる量がその都度変わってくるので、在庫の数を計算しながら、社長や専務、同僚などと相談して最終的な計画を立てています。

実際に働いていてやりがいを感じる部分はどこですか?

商品という“物”を作るのは初めての経験だったので、そこは入社当初から楽しさを感じた部分です。

ごぼうは自然の食材なので、天候や季節によって状態が違ってきます。それに合わせて揚げ具合をうまく調整しなければなりません。温度や揚げ時間、実際に揚がったときの色味など、いつ製造してもおいしいゴボチを召し上がってもらえるよう工夫することは、やりがいを感じる部分ですね。

それから、最近は工場での作業がメインですが、入社1、2年目は直売所での販売にも参加していました。自分が関わった商品を、直接お客さまが購入してくださる場面に立ち会えるのは、とてもうれしい経験でした。

今でも店舗でゴボチをカゴに入れている姿を見かけると、「作ってよかった」「明日もおいしいゴボチを作ろう」とモチベーションが上がりますね。

企業見学や情報を集めることで会社の雰囲気や働くイメージを身近に感じてほしい

では、これからの目標を聞かせてください。

デイリーマームでは現在、HACCP(ハサップ)と呼ばれる食品の製造や衛生管理に関する認証を目指しています。より安心・安全な食品をみなさんに提供するために、次の審査に向けて社内一丸となって準備を進めています。まずはここが大きな目標ですね。

それから個人としては製造計画や工程を任される立場として、ちゃんと人が動いていけるような環境づくりを目指していきたいですね。工場で働くみんなが、仕事がやりやすいように、少しでも環境を整えられるよう頑張りたいです。

最後に、就職や進路を考える高校生に向けてアドバイスやメッセージをお願いします。

私が高校生のころは、先生のすすめで資格取得に取り組んでいました。「資格は将来への武器になる」とアドバイスをいただき、さまざまな資格を取得しました。もし気になる資格があるなら、ぜひ学生のうちに挑戦してみてください。きっと将来役に立つはずです。

それから、就職先や進学先で迷っているなら、企業見学や学校見学に参加してみてください。私もインターンシップで企業を見学できたことで、会社の雰囲気や働くイメージを身近に感じることができました。入社してからもすぐ会社の雰囲気になじめたのは、その経験が大きかったと思っています。担任の先生や進路担当の先生に、見学ができないか相談してみるのもいいですね。

最後に、私は仕事は楽しんだもの勝ちだと思っています。それは仕事で手を抜くとか、遊びながらやるという意味ではなく、「どうすれば面白くなるかな?」と工夫するということです。最初は大変な仕事や環境でも、「どうすれば目の前の課題を解決できるだろう?」と考えるようにすると、どんどんと仕事が面白くなっていきます。

高校生のみなさんも、目の前に悩みや課題があるなら、どうすれば解決できるかな?と視点を変えてみてください。きっとそこに楽しさややりがいを見つけることができますし、進路を選択する材料が増えるはずです。

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