幼いころからの夢であるトラック運転手に。「ありがとう」の言葉が働く喜び

福元さん 都城高校出身

トラック運転手の父に憧れ、自分も同じ道を選んだ

現在のお仕事内容から聞かせてください。

現在は大型トラックの運転手をしています。

業務はトラックの運転だけでなく、輸送する荷物の積み込みや荷降ろしもおこないます。最近は長距離の輸送も担当させてもらい、岡山や大阪までトラックを走らせることもあります。

高速道路を走りますが、時間にすればだいたい12時間くらいでしょうか。途中で休憩を挟みますが、体力的には大変な仕事ですね。

輸送する荷物も食品用の卵から車のタイヤまで多岐にわたります。お客さまから預かった大切な荷物なので、運転には細心の注意を払いながらトラックを走らせています。

トラックの運転手を目指したのはなぜですか?

自分の父もトラックの運転手をしていて、幼いころから父の姿にずっと憧れていました。大きなトラックを運転する父の姿はとてもかっこよくて、時にはトラックの助手席に座らせてもらい、運転席からの光景を見せてもらっていました。

大型トラックの運転席の高さは地上から2メートルを越えます。乗用車とはまったく違う視界には圧倒されますよ。幼稚園のころには、「いつか自分もトラックの運転手になるんだ!」と将来の夢を思い描いていました。

実際にその夢をかなえたわけですが、お父さまの反応はいかがでしたか?

最初に相談したときは反対されましたね。やはりトラックの運転手は体力がいる仕事で、楽しいことばかりではありません。父は長年働いてきた経験から、そのことを分かっていたのだと思います。息子に大変な仕事をさせたくないという、親心からの反対でした。

しかし自分がトラックの運転手に本気でなりたいこと、ずっと幼いころから憧れ続けていたことを伝えると、最後には頑張れと背中を押してくれました。

荷物を届けた先にある「ありがとう」。感謝と笑顔が大きなやりがい

実際に働いてみて印象はいかがでしたか?

やはり父が言っていたように、とても体力のいる大変な仕事でした。夢と現実は違うということを思い知らされましたね(苦笑)

トラックの運転は交通量が少ない夜間に走ることが多くなります。みんなが寝ている間に働く仕事なので、最初はその生活リズムに戸惑いました。ただ、次第に慣れてくると自分なりの働くペースをつかめるようになりました。

最近は休日にリラックスできるよう温泉に行くなどして、しっかり体力を回復するといった楽しみも増えています。

大変なお仕事ですが、喜びを感じる瞬間はどんなときですか?

長距離を運転して荷物を降ろしたときに「ありがとう」という声を掛けてもらうと、本当にうれしいですね。「長い距離を走って届けてきて良かった!」と自分の仕事が報われたように感じます。

トラックの運転手をはじめ、物流の仕事はたくさんの人の生活を支えています。その仕事の先に「ありがとう」という感謝や笑顔があるのは、この仕事の大きなやりがいですね。

では、これからの目標を聞かせてください。

大型のトレーラーを運転するのが目標です。

トレーラーとはけん引自動車と呼ばれるもので、けん引車(トラクター)で荷物を引っ張りながら運転をします。前の車と後ろの車を連結させて運転するので、高い技術が求められます。

実際に自分が大型トラックを運転していると、トレーラーを運転することがどれほど難しいのか理解できるようになりました。まだトレーラーを運転するための免許を取得していないので、まずは免許を取得して、いつかはトレーラーを自分で運転できるようになりたいですね。

それから、高校生のみなさんもTVやニュースで、新幹線やロケットが運搬される映像を見たことがあるかもしれません。わずか数センチの隙間を、高度な運転技術で走り抜ける姿は、同じ運転手としてとても憧れます。そんな仕事をする機会があれば、ぜひ挑戦してみたいですね。

たくさんの情報に触れながら、自分のしたい仕事を具体化して

就職を目指す高校生は、今どんなことに取り組んでおけばよいでしょうか?

すごく当たり前のことですが、生活リズムをきちんと作ることに意識して取り組んでほしいです。

自分の仕事は特に身体が資本ですが、どんな仕事でも生活リズムの乱れはパフォーマンスに影響してしまいます。早寝早起きをするとか、小さなことでもかまいません。自分で生活リズムを作る癖をつけておくと、社会人になってから役に立つと思います。

最後に高校生に向けてメッセージをお願いします。

就職先や進路に悩んでいる方も多いと思いますが、まずはたくさんの情報に触れること、集めることから始めてみてください。社会人の先輩に話を聞いてみたり、職場見学に訪れてみたりすると、自分がどんな仕事をしたいのかイメージが具体的になっていきます。

自分の場合は、父が同じ仕事をしていたので、毎日の生活が職場体験でした。だからこそ仕事の内容をイメージしやすかったですし、将来の夢を抱きやすかったのだと思います。

みなさんもぜひ、興味があることや気になることがあれば実際に行動してみてください。曖昧だったイメージが、どんどん具体化していくはずです。

インタビュートップへ