どんな製品をつくりたいのか、お客さまと密にコミュニケーションを取る
現在のお仕事内容から教えてください。
井崎製作所は、さまざまな工業製品を製作するものづくり企業です。
自分は製造管理部に在籍して、営業の仕事を任されています。具体的には、お客さまと打ち合わせをして、どんな製品をつくりたいのかヒアリングをおこないます。その内容をもとに、現場のメンバーへの図面制作の指示や、工程管理などをおこなっています。製品づくりの最初の一歩目を担う仕事ですね。
製品はお客さまの要望に合わせてすべてオーダーメイドで製造するので、製品の細かな部分やどんな機能を求めているかなど、密にコミュニケーションを取るのが大切です。打ち合わせは電話やメールだけでなく、最近はオンラインでのWeb会議システムを使っておこなっています。
これまでの経歴を聞かせてください。
西都商業高校(現在は妻高等学校と統合)を卒業後、航空自衛隊に入隊しました。
高校生のころ進路を考える時期になっても、具体的に将来どんな仕事をするのかイメージできず悩んでいました。そんなとき、友人の親族が自衛隊で働いていると聞き、お話をうかがう機会がありました。話を聞いているうちにだんだんと興味が湧き、自衛隊に入隊しようと決めました。
入隊後の配属先は滋賀県で、3年間働きました。やりがいのある仕事だったのですが、上官から九州や宮崎県への転勤は退職間近まではないと告げられました。やはり滋賀から宮崎に帰省するとなると、移動時間やお金がかかり、頻繁に行き来することができませんでした。
そうした状況で長く働いていけるか不安があり、いつかは地元で働きたいと考えていたので、悩んだ末に転職を希望しました。
転職先として選んだ未経験の業界。知らない世界への好奇心が決め手
転職先の中から井崎製作所を選んだ理由はどこだったのでしょうか?
自衛隊を辞める際は、隊から転職先を勧めてもらうことができます。その転職先の中に、宮崎の井崎製作所がありました。
以前からものづくりに携わる仕事には興味があったのですが、それに加えて知らない世界に飛び込んでみたいという好奇心もあり、井崎製作所で働くことを決めました。
ものづくりに関しては右も左も分からない状態だったので、入社後は図面やプログラミングを学び始めることからスタートしました。
実際にお仕事をしていてやりがいに感じる部分はありますか?
お客さまに製品をお渡しできた瞬間は、大きな達成感を感じることができますね。
打ち合わせをしてから、社内に工程を振り分けて製品を作っていくのですが、ゼロから新しいものを作り出していくので、難しさや課題もたくさん出てきます。お客さまの要望をしっかり汲み取ることや、コミュニケーションを深めていく場面では、頭を悩ませることも出てきます。
そうした課題を一つひとつクリアして、お客さまが満足していただける製品に仕上がった瞬間には充実感がありますね。
実際に経験したからこそ、自分に向いてる仕事に出会えた
では、これからの目標について聞かせてください。
営業の仕事は、会社の売上に直結する仕事だと思っています。プレッシャーもありますが、だからこそやりがいも大きいと感じています。
打ち合わせではきちんとお客さまの要望を聞き、信頼関係を築いていけるようにコミュニケーションを密に取る。当たり前のことですが、そういった部分に真摯に向き合い仕事に取り組んでいくことで、会社の利益に貢献していければと思っています。
最後に、就職や進路を選ぶ高校生にメッセージをお願いします。
なかなか高校生ではっきりとした就職先や進路をイメージするのは難しいと思います。自分も悩みながら自衛隊に入隊し、その後井崎製作所で働くようになりました。今の仕事はとても楽しいですし、やりがいがあります。ただ、それは実際にやってみたからこそ気付けた部分が大きかったような気がします。
高校生のみなさんも、まずは「面白そうだな」と感じることに臆せず挑戦してみてください。その過程で自分に何が向いているか・向いていないのか、探していってもらいたいですね。
それから、勉強をしておくこと。これは自分が社会人になってから反省した点でもあります(笑)。
高校生のころはなかなか理解できませんでしたが、知識を得ることは自分の選択肢を広げてくれます。その過程で、自分の好きなものを見つけることができるかもしれません。好きなことが見つかると、それを仕事にするにはどうすれば良いのか、逆算することができる。
就職先や進路選びの幅を広げるためにも、たくさんの知識や学びを得ておいてください。