木材廃棄物のリサイクルで地域社会に貢献。人とのつながりで出会ったやりがいある仕事

杉本さん 延岡青朋高校出身

現場から出た木質系廃棄物をリサイクルして環境に貢献する

まずは、現在のお仕事内容から教えていただけますか?

コーポレーション・クリエイトは、木質系産業廃棄物の中間処理をおこなっている会社です。

建築現場などで出た木や草といったものを機械で細かく砕いて、畜産現場で活用できるようリサイクルしています。畜産現場では糞と混ぜてたい肥として利用したり、敷きわらとして活用されています。その他にも市場に持っていくための木材の加工や、バイオマス燃料として利用するための、木材チップの製造などもおこなっています。

自分の仕事は、各業務に携わる担当の割り振りといった統括業務がメインです。実際に現場で重機に乗って作業をしたりもしています。

こちらの会社で働くまでの経緯を教えてください。

延岡青朋高校を卒業後、長崎県の大学に進学し、地域づくり学科に在籍していました。もともと地域貢献や旅行・観光業界に興味があったのですが、高校の先生に相談したところ長崎の大学を紹介してくれました。地域づくり学科は当時では珍しく、少人数制という点にもひかれ進学先に選びました。

大学を卒業後は、実家で父が営んでいた木材加工の会社に就職しました。当初は別の民間企業への就職を考えていたのですが、曾祖父から続く歴史ある会社だったので、自分の代で絶やしてしまうのはしのびないと考え、就職することにしました。

しかし、ここ数年はコロナ禍の影響が大きく、このまま会社を継続するのは難しいと父が会社をたたむ決心をしました。父としても苦渋の決断だったと思います。

新たに仕事先を探すことになったのですが、以前から木材業界の団体で交流があったコーポレーション・クリエイトから誘いを受けました。専務は同い年でずっと交流があったので、ぜひにとお願いして働くことになりました。

学生時代に興味を持った地域づくりに、今改めて携わっている

実際に働いてみて印象はいかがですか?

同じ木材を扱う仕事とはいえ、以前とは違った業務内容なので新たなやりがいを感じますね。

以前は木材を加工して製品として販売していましたが、現在は一度形があるものを壊して、新しいものに作り変える作業をしています。最近ではSDGsをはじめとした持続可能な社会づくりが大切にされていますが、現在の仕事はそういった流れと関連性が強いといえます。

改めて振り返ってみると、自分が学生時代に興味を持っていた地域づくりや地域貢献という分野は、今の仕事とつながりを感じますね。こうして時間を経て、そうした分野に携わることができたのはうれしい部分です。

少し視点が変わりますが、休日などはどのように過ごしていますか?

休日は趣味のアクアリウムを楽しんでいます。アクアリウムは社会人になってから出会った趣味なので、もう10年ほど続けています。

はじめはお店で目にして、「面白そうだな」と小さなサイズを購入したのがきっかけでした。それからどんどん魅力に取りつかれ、今は大きなサイズを育てています。

それから観葉植物を育てるのも息抜きになっていますね。自宅では5~6本育てていて、その時間も癒しになっています。

たくさんの人から刺激を得ながら、絶えず変化を続けていきたい

では、これからの目標を聞かせてください。

まずは工場に自分がいない状態でも、スムーズに稼働できるような体制作りや後継者の育成に取り組みたいですね。

そこがうまく達成できたら、自分はどんどん営業で外に出てみたいと思っています。以前の仕事では少しだけ経験がありますが、本格的な営業の仕事はほぼ未経験です。やはりたくさんの人と実際にお会いしてお話しすることで得られる刺激は、とても貴重な時間です。

普段も木材業界の団体のみなさんと話していると、新たな発見や刺激がたくさんあります。そういう経験を増やして、自分の中で変化を続けていきたいですね。

最後に、高校生に向けてメッセージをお願いします。

いろいろな人と関わる経験をしておいてほしいですね。

社会人になってから実感するのですが、人とのつながりがどこで結びつくかは、本当に分からないものです。出会ったときは些細な関係性だったとしても、大人になってから深い結びつきになることも少なくありません。

それから、どの仕事でもコミュニケーション能力を磨いておくことは自分にとって大きな武器になります。ぜひ高校生のみなさんには、今のうちから学内だけの関係だけでなく、学外の活動でのつながりも積極的に広げておいてもらいたいですね。

最後に、たくさん楽しい経験をしておいてください。今はコロナ禍の影響で制限が多いですが、できる範囲で旅行に出かけたり、新しい趣味に挑戦してみたり、そういった経験は自分の視野を広げてくれます。

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