働き始めて自分の“好き”が結びついてきた。目指すはVRと書道の融合!

川野さん 宮崎北高校出身

工学部で学び、VR事業を展開する会社に新卒入社

現在、どのような仕事をされていますか?

VR事業や画像解析、動画編集などをおこなうエル・エー・ビーという会社の開発部で働いています。そこで、自社が運営するウェブサイトの改修やライブ配信の動画チェックなどを主に担当しています。

地元の大学院を出て、2021年4月から働き始めました。入社して間もないこともあり、今は勉強中という感じですね。工学部でプログラミングもやっていたんですが、実際の業務では分からないことだらけ。先輩に現場で教わりながら、サイトがどのような仕組みで動いているのかを理解した上で、使われている古いシステムを更新する作業に当たっています。

入社の経緯を教えてください。

就職活動の時期はちょうど新型コロナウイルスがはやりだしたころでした。行こうとしていた就職説明会は軒並みキャンセルになるなど、当時は本当に大変でしたね。

思うように就活できず、その状況を含め、自分のやりたいことやこういう会社に行きたいということを大学院の教授に相談していました。院生時代の趣味はVR。それで教授から紹介されたのが今の会社です。

ただVRと一口に言っても、その活用方法にはいろいろあって、当時の僕はVRデバイスを使ったゲームに興味を持っていました。一方、弊社が力を入れているのはVR技術によるライブ配信で、僕が関心を寄せるところとは少し違っていた。それでも入社したのは、違うからこそ、逆に学べることが多いだろうと思ったからでした。

小1から始めた書道。書くことが好きで、楽しいから続けている

宮崎県外での就職は考えていましたか?

そこは考えてなかったですね。というのも宮崎で続けたい趣味があって、進学から就職まで県外という選択肢はありませんでした。

その趣味というのは書道なんです。6歳から習い事として始め、20年近く同じ教室で続けています。現在七段で、目指すところは最高位の師範。そのために週1回、仕事終わりの金曜日に教室に通っています。さすがに仕事を始めてからは前ほど時間が取れなくなりましたけど、毎回1時間ぐらいは書いてますね。

高校からずっと理系の分野なので、書道をやっていると言うと周りから必ず驚かれます(笑)。でも書道こそが僕が宮崎を離れない理由で、最もやりたいことなんですよね。

書道の魅力は?

なんでしょうね…。子どものころから習い事に通う方も多いと思いますが、僕の場合は小学1年生で始めた書道がたまたまうまくハマったのかなと。

確かに字がうまくなるとか、集中力が身に付くとかいう良さはあるんですけど、単純に書くことが好きで、書道が楽しいからやっている。本当にそういうことなんじゃないかなと思います。だからこれまでの学業だったり、今の仕事だったりと両立できているんだと思いますね。

ちなみにいつでもどこでも書けるように、会社のデスクの引き出しには筆ペンを常備してあります(笑)。

好きなことを増やして、そこから何か挑戦してほしい

仕事やプライベートでの今後の目標を教えてください。

まずはなんといっても、書道で師範までたどり着くこと。そこを目標に幼少期からやってきているので、これからもブレずに書の道を極めていきたいと考えています。

そして、同じように仕事も突き詰めたいと思っています。弊社が取り組む映像技術に対して、自分が知らないことがまだまだたくさんあるので、ガンガン吸収して知識や経験を積み上げていきたいです。

将来的には趣味と仕事を掛け合わせて、何か形にできればとイメージしています。たとえば、VRの中で文字を扱うこと。すでにVR書道家として活動している人はいるんです。だから僕としては、今の会社で学ぶことを武器に、VRと書道の新しい形を見つけ出せればと考えています。理想としてはそれで独立して食べていけると一番いいですよね。

社会人として、高校生にメッセージをお願いします!

好きなことをいくつか持っておくと、それが自分自身の強みになる気がします。とりあえず、好きだと思えること、興味があることをどんどん増やしていって、そこから何か目標に向かって挑戦していくのもありなんじゃないでしょうか。

僕も自分のことを俯瞰(ふかん)すると、やっていることが全部取っ散らかってるなと感じるんです。VRと書道なんてデジタル技術とアナログという、いわば対極にあること。でも仕事を始めてから、ようやくその2つが結びつき始めたんですよね。そして、新たな目標も見えてきた。

だから皆さんも、まずは何か一つでもいいので、自分の好きなことや打ち込める趣味を持てるといいかなと思いますね。

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