自分がやりたい、楽しいと感じられる道を選んでほしい

南波さん 門川高校出身

日常生活ではできない体験が、就職先を決める理由になった

高校時代はどのような学校生活を過ごしていましたか?

門川高校では野球部に所属して、部活に熱中する毎日を過ごしていました。ポジションはセンターです。野球部は学校でも注目される存在なので、練習や試合はもちろん、日々の生活態度にも気を配っていましたね。先輩との上下関係や礼儀など、学ぶことがたくさんありました。

勉強は農業関係の学科だったので、授業の一環で野菜の栽培や農作業など、外で作業する時間が多かったのも印象に残っています。

どのような経緯で今の仕事を選びましたか?

高校在学中に、先生からガス溶接に関する資格を取得してみないか、とアドバイスをいただきました。自分は農業関係の学科に所属していたのですが、先生の勧めもあって挑戦してみることにしました。

そのときに初めてガス溶接という作業を知ったのですが、日常生活ではできない体験がとても楽しかったんです。もともと将来の進路を考える際に、ぼんやりとデスクワークとかではなく、体を動かす仕事がしたいと考えていました。

ガス溶接を経験したときに、こんな仕事があるのかと知り、この仕事なら現場で体を動かしながら作業できると考え、就職先に池上鉄工所を希望しました。ものづくりが好きだった点も、この仕事を選んだ理由の一つですね。

自分のスキルアップを実感できる瞬間にやりがいを感じる

現在はどのような業務を担当していますか?

現在は、機材の整備を担当しています。取引先の会社に常駐して、工場内のポンプや空気圧縮機のメンテナンスを担当しています。機材も大小さまざまで、種類も多いので一つひとつの構造を覚える作業が大変です。

それから、メンテナンス作業は2人以上のチームでおこなうのですが、初めは技術力のある先輩方についていくのが大変でした。人数が多いときは5~6人以上で流れ作業で整備をおこなっていくので、チームの流れが滞らないように取り組むことに苦労しました。

ではこのお仕事のやりがいや楽しい部分はいかがですか?

いろいろな機材に触れられる点は、この仕事ならではの面白さだと思います。特に入社当初は初めて目にする機械ばかりで、新しい発見だらけの毎日でした。

最近では、現場の作業で自分のスキルアップを実感できる瞬間にやりがいを感じています。少しずつ技術や知識も増えて、作業を効率よく回せる場面も増えてきました。以前はできなかったことができるようになり、スキルアップを感じられるのはモチベーションにつながりますね。

休日はどのように過ごしていますか?

結婚して子どもがいるので、家族と過ごす時間が多いですね。一緒にショッピングに行くなどして過ごしています。

また、最近はバイクにハマっています。最初は職場に原付で通勤していたのですが、結婚するタイミングで少し大きめのバイクに乗り換えました。まだ本格的に触ったりできていないのですが、時間をみつけてカスタマイズしたりしてみたいですね。

それから社会人野球のチームに所属しているのですが、この一年ほどはコロナ禍の影響で活動ができていない状況です。野球は思い切り体を動かすことができるので、早く試合ができるようになればと願っています。

自分の選択肢を広げられるような毎日を過ごす

これからの目標を聞かせてください

仕事の面では、機械組立仕上げの1級技能士の資格を取得したいです。2021年の8月に2級の資格を取得したのですが、今はより難易度の高い1級の資格を目指しています。

1級の資格は受験までに実務経験が2年必要なので、まずは日々の現場での作業に取り組みながら、技術力を高めていきたいですね。

それから、現場でチームを統括する指揮者を任せられるようになるのも、もう一つの目標です。今は指示を受ける側の立場ですが、もっとスキルや信頼を高めて、指示を与えていけるような人材に成長したいですね。

では、進路を考える高校生に向けてメッセージをお願いします。

社会人になって感じたのは、職場の同僚や上司、先輩の方々とコミュニケーションを取る大切さです。自分の仕事はチームで動く作業が多いため、普段からコミュニケーションを深めておくことの重要さを常々感じています。

高校生の皆さんにも、ぜひ今のうちから意識してコミュニケーションを取ることにトライしてもらいたいですね。自分の場合は、野球部での経験がとても大きな財産になりました。上下関係や言葉遣いなど、自然と身に付けられる環境にいたことはありがたかったですね。

それから、勉強を頑張ること。これは当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、勉強や資格を取得することが、自分の将来の選択肢を広げてくれます。自分のように、資格取得がきっかけで働いてみたい職種に出会えるかもしれません。

最後に、就職先や進学先を選ぶ際のアドバイスなどあれば聞かせてください。

自分がやりたいこと、楽しいと感じられることがある進路を選んでみてください。

学生のころは、ついつい与えられた情報の中だけで進路を選んでしまいがちですが、自分が興味がない分野に居続けることは、なかなか大変なことです。苦しいことや失敗があったときに、「楽しい」や「好き」といった感情が自分の支えとなってくれます。

そんな環境を見つけ出すためにも、たくさんの情報を集めて、自分らしい進路を選んでもらいたいですね。

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