世界の舞台で活躍している企業の一員になって働いてみたかった
こちらの企業に就職した経緯を教えてください。
前職では、工業系の企業に勤めながら携帯電話の基板を製造する業務を担当していました。
あるとき、主要な国の代表が集まる国際会議・G7の伊勢志摩サミットでジャパンキャビアの商品が採用されたというニュースを目にしました。宮崎の企業が世界の舞台で活躍していることを誇らしく感じると同時に、自分もその一員になって活躍したい気持ちが芽生え、転職することを決断しました。
現在の業務はどのような内容ですか?
ジャパンキャビアではキャビアの製造と販売をしているのですが、自分は製造の部門を担当しています。
具体的に説明すると、まず仕入れたチョウザメをさばいて卵を取り出します。取り出した卵をほぐして洗ってから、不純物や卵膜(らんまく)と呼ばれるものをピンセットを使って一粒一粒丁寧に取り除いていきます。
入社当時はまさに未知の世界という表現がぴったりで、一つの作業をするのもドキドキすることばかりでした。特にキャビアは世界三大珍味と呼ばれる高級品だけに、潰してしまったらどうしようとプレッシャーを感じたりしていましたね。例えるなら、宝石を扱っているような感覚でした。
今は5年ほどキャリアを積んでずいぶん慣れてきましたが、繊細な作業の独特の緊張感は常に感じています。
より良い商品を作ることが、お客さまの笑顔や感動につながっている
このお仕事のやりがいはどこですか?
より良い商品を作ることが、お客さまの笑顔や感動につながっている部分はやりがいに感じています。お客さまと直接顔を合わせる機会は少ないですが、通販サイトのレビューや口コミを見ると「おいしかった」という言葉や「とても満足しました」といった声を目にすることができます。
そういった言葉が、もっと良い商品を作ろう!というモチベーションにつながりますし、大きな喜びを感じる瞬間ですね。
それから、キャビアは世界的にもまだまだ未知の部分が多い食材です。たとえば、チョウザメという魚のオス・メスを判断するには、最低でも3年ほど成長させなければ分かりません。そこからメスが卵を持つまでさらに時間がかかるので、キャビアを製造するまで10年程度の時間が必要となります。そのため、キャビア自体がとても希少で、研究や技術の蓄積もまだまだ発展途上の段階です。
自分たちもよりおいしい商品に仕上げるにはどうすればよいのか、日々研究を重ね技術の蓄積に取り組んでいます。誰も知らない分野を手探りで探っていく開拓者になれるのは、この仕事の魅力ですね。
お仕事以外のプライベートの時間はどのように過ごしていますか?
自分は街や近所をブラブラと散歩する、いわゆる「街ブラ」が趣味です。行き先を特に決めるわけではなく、ゆっくり街を散策しながら気になったお店や飲食店を訪れる時間を大切にしています。
ジャパンキャビアは休日もしっかり取ることができるので、ONとOFFはしっかり切り替えることができます。お休みの日に気分をリフレッシュすることが、仕事へのモチベーションにつながると思っているので、そこはうまくバランスが取れていますね。
高校生だからこそもっと好きなようにチャレンジしてほしい
お仕事でのこれからの目標を聞かせてください。
世界No.1のキャビアメーカーになることが、今の大きな目標です。宮崎からそんな誇りを持てる企業を育てていきたいですし、自分もその一員としてしっかり貢献できる人材に成長したいと思っています。
それから、半年ほど前から工場長の役職を任せてもらっています。今までは指示を受ける側の立場でしたが、これからは自分が下のメンバーを引っ張り、育てていかなければなりません。まだまだ試行錯誤の段階ですが、積極的にコミュニケーションを図りながら、より良い環境を築いていきたいですね。
最後に高校生へのメッセージをお願いします。
現在では、インターネットやスマホが普及したおかげで、調べれば情報はすぐに手に入れることができます。そういった情報をうまく活用して、自分に合った就職先や進路を選んでほしいと思います。
誤解を恐れずに言えば、高校生だからこそもっと好きなようにチャレンジしてほしい。今の年代だから挑戦できることや失敗できることはたくさんあります。ぜひ勇気を出して、いろいろなことに取り組んでもらいたいですね。
それから、もし悩みや不安を感じたときは、周りの人に相談してみてください。家族や先生、友人、誰でもいいので相談できる人に思い切って打ち合けてみる。周りの人は、自分のことを客観的に見てくれているので、自分では思いつかなかったアドバイスやヒントをもらうことができます。一人で考え込まず、周りに相談してみるのも一つの手段です。