「大好きな祖父母のために、看護師さんになりたい!」一番はじめのきっかけは、小さな私が抱いた大きな志でした

平岡さん 飯野高校出身

その道のりは決して平坦ではなかったけれど、医療の道を選び、看護を学び、私が志を果たすまで

看護師になりたいと最初に志したのは、小学生の時だったそうですね?

はい、そうなんです。私は幼い頃から可愛がってもらった祖父母が大好きな、いわゆるおじいちゃん子おばあちゃん子でした。
小学生だった当時、すでに高齢だった二人は高血圧などの持病を抱えていて、お薬を飲んだり、通院したり。そんな姿を見ていて子どもながらに思ったんです。「将来、私が看護師さんになって、大好きなおじいちゃんとおばあちゃんが長生きできるように見てあげたい!」と。
まだ子どもでしたから、純粋な気持ちで単純にそう思ったわけですが、志した一番はじめのきっかけは「大好きな祖父母のために」という想いでしたね。

高校時代から看護師になるまでの経緯を教えてください

高校進学の頃は少し心変わりして、保育士の道を考えていたんです。
飯野高校の生活文化科では、食物・衣服・保育など家庭科目を中心に学びました。しかし進路を決める時期、「本当に将来なりたい自分って何だろう?」とまた思い悩むことに。

そこで数多くのオープンキャンパスに参加し、情報をたくさん集めて、いろいろ検討を重ねました。医療業界に方向性を定めてからも、看護、介護、リハビリ、臨床検査技師などの選択肢から自分らしく頑張っていけるのはどの道かを考えて。最終的に出した答えが「やっぱり看護師の道に進みたい!」でした。

進学したのは、小林看護医療専門学校。看護科で3年間学び、国家試験にも無事に合格。地元の地域医療を担う中核病院で、診療科も多い池井病院でなら幅広い看護経験を積みながら成長できると感じ、2021年4月に看護師として入職しました。

いろいろ思い悩んだ上での進路選択だったんですね。看護医療専門学校での学びはいかがでしたか?

実は、コロナの影響で2年次からの授業や実習はイレギュラーな対応を強いられました。
通常実施される病院での現場実習も多くが学内実習に変更。〇〇な病状の患者さんを想定してどんな看護支援をするべきかの実習も、人形を使ったり、レポート提出で先生の指導を受けたり。もちろん、数を少なくして実施された病院実習では、患者さんに接するリアルな看護業務を体験して貴重な学びを得ることができたのですが、卒業までは授業も実習も制限の多い中で看護医療を学ぶ日々だったんです。

ちなみに、コロナ禍のため旅行やイベントなど楽しい学生生活の思い出づくりも叶わず。国家試験に向けて同級生の仲間たちと懸命に勉強に励んだことが一番の思い出になりました。

一般病棟を担当する看護師として、入院患者さんの看護業務に取り組んでいます

現在、看護師として取り組まれているお仕事内容を教えてください

私が担当する一般病棟は50床。看護師長・主任・看護師・看護助手の計23名で入院患者さんの看護を行っています。
病棟の巡回/血圧・体温・脈拍の測定/注射・点滴・採血/お薬の管理・与薬・服薬指導/ナースコール対応/日勤担当から夜勤担当への情報連携/入浴・排泄の介助/患者さんの入退院にともなう環境整備/看護記録など。担当医の指示のもと、取り組む看護業務は多岐にわたります。

日々の看護業務で大切にしていることはありますか?

通常、決められた時間に病棟を巡回するのですが、業務の合間に時間ができたときには、ナースステーションに戻るのではなく、できる限り病棟を巡回して患者さんの様子を見に行くよう努めています。私は入職1年目に、容体が急変した患者さんの看取りを経験しました。はじめての経験でとてもショックを受けました。日々患者さんと接する時間が多いのは私たち看護師です。「日々のちょっとした表情や会話、動作の中にあらわれる少しの変化も見逃したくない!」この経験をきっかけに、そんな想いが強くなったことから始めた自分なりの看護の取り組みです。

仕事でやりがいや喜びを感じるのはどんなときですか?

やはり、自分が看護を担当した患者さんが元気になって、退院していくときですね。入院中でも、当初ベッドから立ち上がることもできなかった患者さんが、車椅子や歩行器で動けるようになっていくなど、日を追って回復していく姿を見るときの喜びは医療従事者共通のやりがいだと思います。

今でも心に残っているのは、上記でお話した自分なりの取り組みを続けていた入職2年目のある日のこと。夜勤担当だった私は、業務開始時に「夜勤を担当します平岡です」と病棟を回って挨拶をしていました。すると患者さんが「今日の夜勤担当は平岡さんなんだね。あなたがいてくれるなら安心して眠れるよ!」と声をかけてくれたんです。看護師として日々頑張る中、ときには心が折れそうになることもありましたが、「これまで自分がやってきた看護は間違ってなかったんだ!」と思わせてくれた忘れられない出来事でした。

地元就職の良さは、いろんな悩みや相談を話せる家族、友人、恩師がすぐ近くにいてくれること

お休みの日は、どう過ごしてリフレッシュされていますか?

友人と宮崎の観光地に出かけたり、お茶や食事をしたりしてリフレッシュしています。コロナ禍だった専門学校時代にできなかったことを今取り戻している感じですね。

また、えびの市の実家は小林市から近いので頻繁に帰っています。両親と飼っているネコに会える実家は、やっぱり落ち着くんですよね。地元宮崎も、実家も、大好きです。最近は、両親への感謝を込めて一緒に出かける親孝行ドライブも始めました。つい先日は、リニューアルした都城市の観光スポット「関之尾滝」へ。家族で豊かな自然を満喫してきました。

今後、どんな看護師として成長し、キャリアアップしていきたいとお考えですか?

経験豊富な先輩方に学びながら、幅広い診療科での看護経験を積み、これからもっと成長していきたいと思っています。現在は、「宮崎地域糖尿病療養指導士」という資格取得に向けた試験勉強に励んでいるところです。糖尿病はこれから多くなっていく疾患だと言われています。この専門資格を取得すれば、患者さんに提供できる看護や指導の幅を広げることができますし、それは私自身の強みとなり、成長にもつながると思っています。

最後に、これから進路選択を考える高校生に地元就職の良いところを伝えるとすれば?

私の場合、いろんな悩みや相談を話せる家族、友人、高校や専門学校時代の恩師が近くにいてくれることでした。実際、入職1年目は壁にぶつかって悩むことも多かったのですが、その都度、両親や友人に話を聞いてもらって励まされたり、専門学校の恩師に相談してアドバイスをもらったりして、立ち直るきっかけをもらい、背中を押してもらいました。

これから進路を考えるとき、皆さんも悩んだり迷ったりすると思いますが、選択肢が多ければ多いほど、将来の可能性は広がると思います。まずは多くの情報を集めて、検討して、その中から好きなことを仕事にする道、興味のあることを学ぶ道、頑張れそうなことにチャレンジする道など、最終的に自分が納得できる選択ができるといいですね!

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