宮崎発のサイバーセキュリティ企業

世の中にはさまざまなWebサイトやアプリが存在し、誰でも簡単にインターネット上で買い物ができたりゲームで遊んだりできるようになりました。一方で住所や氏名、クレジットカード情報などの個人情報が盗み取られるといった被害も増えています。悪意をもって不正にアクセスする「ハッカー」などの侵入を防ぎ情報を守るためには、Webサイトやアプリの安全性を事前に確認しておくことが欠かせません。

株式会社クラフは、そうした公開される前のWebサイトやアプリのセキュリティ診断・検査をおこなっている会社です。健康診断をするようにさまざまな項目の検査をして安全性を確認します。たとえば、見破られやすい簡単なパスワードが登録できるようになっていないか、パスワードを入力する際に他の人が見ることのできないよう画面上で暗号化されているかなど、たくさんの項目を一つひとつ検査していきます。攻撃されやすい項目や情報が漏れるリスクのある項目が見つかった場合は、その重要度やとるべき対策などを報告書にまとめてお客さまにお知らせします。そうすることで、お客さまは報告書をもとに安全性をさらに高めるための対策をとることができます。

近年はオンライン化が進んだことで新しいWebアプリなどがますます増えています。それにともなってハッカーによる攻撃も増え続けていますが、情報を守る側の技術者は大幅に不足しています。2020年時点で日本には50万人以上のIT技術者が必要といわれているなか、実際は約20万人と必要な数の半分を下回っています。Webサイトやアプリが増加することで必要な技術者数も毎年1.5倍〜2倍に増えていて、深刻な人材不足が叫ばれています。

クラフでは「標準化」といって、社員全員が同じ基準で診断をおこなえるように検査項目を細かく分けたり、検査方法を統一したりするなどの仕組みづくりをしています。「標準化」することで安定した診断をおこなうことができ、より多くのお客さまの依頼に応えることができるようになりました。検査項目は常に見直され、変化するハッカーの攻撃にも対抗できるような高い品質が保たれています。また「標準化」によって、短期間で技術者を育てることができるため、IT業界の人材不足の解消にもつながっています。

クラフではIT業界未経験の方でも安心して働き始められるよう、半年間の研修制度を設けています。また研修を受けたあとは状況に応じてオフィスワークか在宅ワークかを選択することができ、子育て中の人は短時間で勤務をすることも可能になっています。さまざまな環境にいる社員それぞれが働きやすい体制を整えているため、10代から50代まで幅広い年齢層の社員が活躍することができています。クラフで働く社員にとって、宮崎にいながら東京など首都圏にある大手の会社のWebサイトを診断できることや、年齢や経歴に関わらずステップアップができることは、やりがいを感じる機会の一つになっています。

また、初めての取り組みとして、入社時の研修段階からすべてリモートワーク可能という条件で人材の募集をおこなったところ、以前の10倍以上の応募がありました。県外からも多くの応募があり、実際に愛知や鹿児島などに住んでいる人を採用しています。クラフでは宮崎で1000人の雇用の達成を目指し、より良い環境づくりをしながら人材の採用を進めています。